コーヒータイム

日々読んだ本の感想。時々日常。

『他社から引き抜かれる人の仕事術』(中山遼二著)を読んだ

ヘッドハンティングされる人にはさまざまなタイプがいるだろうけれど、この本はその特徴を93項目にまとめている。いずれもなるほどと深々とうなずけるものばかりだ。 著者はヘッドハンティングを、仕事の成果を誰かが認めたから起こるものだと捉える。具体的…

『買収ファンド ハゲタカか、経営革命か』(和田勉著)を読んだ

買収ファンドという言葉にはあまりなじみがなかった。ファンドという言葉は米国発マネーゲームの一種で、破綻寸前の企業を安く買って高く売ることでもうけているというイメージだった。著者に言わせるとこれはハゲタカに近いイメージだそうだが、買収ファン…

『私、社長ではなくなりました。ワイキューブでの7435日』(安田佳生著)を読んだ

2011年3月10日、東日本大震災前日に、ワイキューブは民事再生を申請した。中小企業の新卒採用コンサルティング及び企業ブランディングを業務内容とする会社で、負債総額は四十二億円だった。本書は、ワイキューブ社長の安田佳生が自身の社長として歩んできた…

『その仕事のやり方だと、予算と時間がいくらあっても足りませんよ。』(降籏達生著)を読んだ

『大金持ちの教科書』を読んだときのブログ記事にこう書いた。 【マネジメントがある判断をしたが、その内容は私には理解しがたかった。だが後に、マネジメントからすると非常に合理的な判断であったと分かった。 このことは私に、立場による判断の違いを深…

『企業はなぜ危機対応に失敗するのか 相次ぐ「巨大不祥事」の核心』(郷原信郎著)を読んだ

神戸製鋼が揺れている。全世界の製造業を巻きこんだ前代未聞レベルの不祥事に発展しそうで、企業として市場からの退場はもはや時間の問題のように思える。 だが「偽装」された数値がなにで、品質にどのような問題が生じうるのかはなかなか詳細が見えてこない…

『大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント』(白鳥美子著)を読んだ

プロジェクトマネジメントの本に最近良く手が伸びる。 大工の棟梁といえば、現場の気難しい大工達をたたき上げの実力でまとめあげる漢、というイメージがあるが、この本を読んでみれば半分当たりであった。現場の大工達をまとめるには、圧倒的実力と、ついて…

『特定の人としかうまく付き合えないのは 、結局 、あなたの心が冷めているからだ』(五百田達成、堀田秀吾著)を読んだ

ぐさりとくるタイトルに惹かれて手にした本。 著者は心が冷めている状態を、①人の話に興味がない、②人と積極的に関わろうとしない、③そのため、世界がどんどん狭まっていく状態と説明している。要するに対人関係に興味がないのだ。 だけど一方で人は、興味関…

『最短で達成する 全体最適のプロジェクトマネジメント』(岸良裕司著)を読んだ

初めて読んだゴールドラット博士の著書は『クリティカル・チェーン』だったと思う。内容というより、難しいことを物語に編みこんで説明するという表現方法に興味をもった。その後『ザ・ゴール』も読み、プロジェクトマネジメントのこれまでの常識と、それを…

『大金持ちの教科書』(加谷珪一著)を読んだ

前著『お金持ちの教科書』の応用編ともいうべき本書のメッセージは、「大きなお金を稼ぐには 、ビジネスから得られる利益の多くを獲得できる立場になる必要がある。具体的には経営者あるいは投資家となり、儲かる仕組みを自分で作ることができ、そこから得ら…

魯迅『祝福』を読んだ

魯迅の小説二作目。『阿Q正传』よりは分かりやすいのだが…読了後の正直な感想は「なぜよりによってこのタイトルにした?」だ。 小説の主人公は旧正月を控えて故郷に戻り、親戚宅に居候している。村全体で旧正月のお祝いに特別なごちそうを用意し、爆竹を鳴ら…

『お金持ちの教科書』(加谷珪一著)を読んだ

Kindle が故障してしまった。目に悪そうだが、Kindleが復活する(できるのか?)まではiPhoneアプリと紙媒体の本だけになる。 この本の筆者はお金持ちとつきあう中で、お金持ちの人たちに特有の思考パターンや行動原理が存在することがはっきりしてきたという…

『会社の電気はいちいち消すな コスト激減100の秘策』(坂口孝則著)を読んだ

最近会社でもコスト削減にうるさくなってきた。コスト削減目標提示、夜の定刻消灯、部署別コピー枚数調査などなど。この本のタイトルからして、会社の電気をこまめに消したらどれほどのコスト削減が期待できるか、計算されているかもしれないと期待して手に…

『組織力を高める』(古田興司/平井孝志著)を読んだ

マネジャーがどうあるべきかについての素晴らしい入門書。 会社組織というつかみどころのないものがもつ「組織力」は、「自らを変革し結果を出していく力」だと定義される。 会社組織の第一の目標は利益を得て会社組織を存続させることであり、そのためには…

『戦略の不条理 なぜ合理的行動は失敗するのか』(菊澤研宗著)を読んだ

「戦略」という言葉は軍事の世界で生まれ、経営学の世界でも使われるようになった。この言葉が意味するものは経営学と軍事とでまったく異なるとされるが、実はとても似通っていると著者はいう。軍事的戦略は競争社会で勝つためのヒントとなるのだ。 著者は、…

『毒 青酸カリからギンナンまで』(船山信次著)を読んだ

薬毒同源。毒は薬ともなり、薬は過ぎれば毒になる。 このテーマを考える時に思い出すエピソードがある。かつて大学時代に私は「夜回り先生」水谷修氏の講演会を聞く機会があった。その中で水谷氏は「アイ」という少女の話をしてくれた。夜の世界に堕ち、薬剤…

"The Bone Collector" (Jeffery Deaver) を読んだ

初めて読む、ミステリーの大家ジェフリー・ディーヴァーの作品。 洋書原文にしたのは、英語学習もあるが、kindle版で日本語版に比べて大幅に安かったからだった。そうしてよかったと思う。この本はスリリングな場面をとても短い英文で書き表していて、それが…

『おいしいおしゃべり』(阿川佐和子著)を読んだ

タイトルから料理関係が多いかと思ったが、そんなことはなく、料理、幼き日の思い出、思い入れがある品物、好きな場所などについてとりとめもなく綴ったエッセイを収めたエッセイ集。『おいしいおしゃべり』というタイトルのエッセイもある。内容はアメリカ…

『フリー 〈無料〉からお金を生み出す新戦略』(クリス・アンダーソン著)を読んだ

本を毎日読むようになって、自分自身の好みがはっきりしつつある。私はどうやら三種類の本が好きらしい。 ① まったく知らなかった世界を目の前に広げてくれる本。地政学がまさにそれだ。 ② 自分自身ではなんとなく感じていたけれど言葉にできなかったことを…

魯迅『阿Q正传』を読んだ

魯迅作品の中でも有名な、魯迅唯一の中篇小説だが、初読の感想は「わけわからん」だった。 未荘という村に住む貧乏労働者阿Qは、どこにでもいるような貧民だ。家がなく、着ているものはボロボロで、さびれた寺の建物の中で寝起きし、時折村民のところで短期…

『なぜ繁栄している商店街は1%しかないのか』(辻井啓作著)を読んだ

この本を読み進めていくと、著者は商店街活性化方法についてとことん考えて、実践して、成功と失敗を繰り返してきて、その経験をすべてこの本にメッセージとしてこめたのだと伝わってくる。 著者が考える商店街活性化はとてもシンプルだ。行きたくなるお店が…

『40連隊に戦闘技術の負けはない』(二見龍著)を読んだ

アメリカ国籍をもつ鹿児島出身の戦闘インストラクターであり、FBIへの戦闘技術訓練などアメリカで戦闘技術指導経験を積んだイチロー氏が、福岡県北九州市に駐在する陸上自衛隊第4師団第40普通科連隊に世界標準の戦闘技術を手ほどきする過程について書いた本…

『なぜ、嫌われ者だけが出世するのか?』(斎藤勇著)を読んだ

さまざまなビジネス上の人間心理を、実験社会心理学から解きあかそうとする一冊。 なぜ上司は依怙贔屓をするか? なぜ互いに足を引っ張りあうのか? なぜ上司は権限を振りかざすようになるのか? 身近で見る機会がそれなりにある現象を実験社会心理学の実験…

『状況認識力UPがあなたを守る -元CIA捜査官が実践するトラブル回避術』(ジェイソン・ハンソン著)を読んだ

この本で教えるのはサバイバル・インテリジェンスと、トラブル回避のための具体的方法だ。サバイバル・インテリジェンスとは、どんな緊急事態にも適切に対応できるという自信のことであり、危険な状況下で、その場にある道具を使って素早く、無駄なく反応す…

『潜行 -地下アイドルの人に言えない生活』(姫乃たま著)を読んだ

最初に姫乃たまという名前に触れたときのことは、覚えていない。私はアイドルにあまり興味がない方で、AKB48全盛時代でさえ神7の名前をすべて言えなかったほどだ。その私が地下アイドルに興味を持ちはじめたのは、ひとえに姫乃たまに興味をもったからだと思…

『未来をつくる起業家-日本発スタートアップの失敗と成功 20ストーリー』(ケイシー・ウォール著)を読んだ

日本は言語の壁、文化の壁、商習慣の壁などがあり、シリコンバレーなどに比べれば起業しにくいと言われるが、それでも徐々にIT起業は増えてきている。本書はその中でそこそこの成功を収めた若き起業家20人にインタビューしたもので、成功、失敗、苦労、喜び…

『となりの脅迫者』(スーザン・フォワード著)を読んだ

『毒になる親』の著者、スーザン・フォワードによる本。一行目からトラウマを刺激にくる、心当たりがある人が精神的に弱っている時に読むのを控えた方がいい本。 〈週に一度、夜間講座に通いたい、と夫に言ったんです。すると夫は、いやに穏やかな、そのくせ…

『世界500万人が実践する営業術』(ブライアン・トレーシー著)を読んだ

営業術をテーマとするビジネス書は、日本人作者によるものを何冊か読んだことがあるが、この本と似た内容ながら、書かれている順番が真逆だったのが面白い。 日本人作者の本では、まず相手のニーズをつかむための「聞く力」から書き始めていた。一方、カナダ…

"Geopolitics of the Balkans and Beyond: What Do Russia, China, and United States Want?" (Filip Kovacevic)を読んだ

洋書チャレンジ第二弾。地政学についての本だ。タイトル通り、バルカン半島情勢を中心に述べたエッセイを一冊の本にまとめている。それぞれのエッセイは短いので、疲れる前に読み終わる。 バルカン半島はヨーロッパの南東部で、「ヨーロッパの火薬庫」と呼ば…

"Affairs of State: United States Grand Strategy and National Security" (Don Treichler)を読んだ

英語学習も兼ねて、戦略論関連の洋書原文に手を出してみた。 著者によると、戦争には九つの "Principal - 原則" がある。このうち原則1は原則2-3に、原則4は原則5-9すべてに関わる。(注: 私の限られた英語力で、一部意訳しているため、原文とニュアンスが違…

『悪の論理: 地政学とは何か』(倉前盛通著)を読んだ

著者によれば、地政学とはおおよそ次のような学問である。 (1) 国家を主要要素とする国際経営の理論 (2) 国家の望むものを獲得するための行動原理 (3) 世界的勢力を確保するための活動の科学 著者は地政学を「悪党の論理」と呼んではばからない。その意味す…