コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

ビジネス書

未来はどういう社会になるかを想像して金儲け〜S.ヘック&M.ロジャーズ『リソース・レボリューションの衝撃』

現在進んでいるIT主導の産業革命は、わたしが身をおくエネルギー業界のゲームルールを根本からひっくり返そうとしている。エネルギー業界にこの先何が起こりそうか、その中でわたしはどのようにキャリアを築けばいいか、ヒントを得るためにさまざまな本を手…

なぜと聞かれても困る『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』

この本を読みながら、初めて体験する感覚にとまどっていた。「あれ、私もうコレやってるわ」「私もうコレ知ってるわ」という感覚。 すべての仕事は必ずやり直しになること。 どうせやり直しになるのだから細かいことはおいておき、まず全体像を描くほうがい…

起業家必読『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全』

最近話題にする機会があったのだが、組織人の行動は、システムによって大きく変わる。 たとえば大学教授の評価方法に論文投稿数を取り入れれば、大学教授は一論文あたりの内容を薄くしてでも投稿数を増やそうとし、結果、論文の質が下がるだろう。博士課程修…

置かれた場所で咲くこととは逆に『どこでも誰とでも働ける』

この本の一番凄いところは「自分にもできるかもしれない」と思わせてくれるところだと思う。 著者の尾原和啓さんは新卒でマッキンゼーに入社、その後NTTでiモード立ち上げに従事、Googleに転職、と、どこを切り取っても凄い経歴なのに、書いていることは、ハ…

1440分の価値 (ケビン・クルーズ著)

面白いことに、この本に従うならば、私はきっとこの本をこの先二度読むことはないだろう。なぜなら「一度しか触らない」ことが時間節約に有効なのだから。 本書では「時間は最も貴重かつ最も希少な資源である」ことを思い出させるとともに、時間をどう活用す…

“Project Management” (by Adrienne Watt)

素晴らしいプロジェクトマネジメントの入門書。 この本自体が”BCcampus Open Textbook project”というプロジェクトの成果物である。カナダのブリティッシュコロンビア大学が主催するこのプロジェクトは、オンライン講義のためにつくった教科書を無償公開し、…

『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか? -小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方』(枝廣順子、小田理一郎著)を読んだ

「人は環境の奴隷である」「郷に入れば郷に従え」といったように、環境が個人の考えに影響することはさまざまなことわざに表現されるが、この本はそれを「システム」と表現して、「システム思考」によって、個人や状況によらない真の原因をみつけ、それを解…

『Makers -21世紀の産業革命』(クリス・アンダーソン著)を読んだ

本書はさまざまな実例をもってシンプルな現実を示してくれるーー発明家から起業家への道のりは、もう存在しないといえるほど縮まったということを。 ものづくり大国日本。ものづくりと言われて思い浮かぶのは、ドラマ「下町ロケット」に出てくるような、小さ…

採用側のホンネを見抜く 超転職術(田畑晃子著)

本書のメッセージはこの一言に集約される。 重要なのは、企業とあなたの「価値観・マインドの一致」に加えて、求人背景である「課題」を解決できる「ビジネス筋力」があるかどうかなのです。 ビジネス筋力とは、これまでビジネスの実践を通して積み上げてき…

ビジョナリー・カンパニー③ 衰退の五段階(ジェームズ・C・コリンズ著)

ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階 作者:ジム・コリンズ 発売日: 2010/07/22 メディア: 単行本 ビジョナリー・カンパニーシリーズの第三冊。 タイトルにある通り、著者は企業衰退の枠組みを五段階に整理している。それぞれの段階でどのくらいの期間留…

【おすすめ】『イノベーションへの解 利益ある成長に向けて』(クレイトン・クリステンセン/マイケル・レイナー著)を読んだ

イノベーションへの解 利益ある成長に向けて (Harvard business school press) 作者: クレイトン・クリステンセン,マイケル・レイナー,玉田俊平太,櫻井祐子 出版社/メーカー: 翔泳社 発売日: 2003/12/13 メディア: 単行本 購入: 16人 クリック: 168回 この商…

"Startup: The Complete Handbook for Launching a Company for Less" (by Elizabeth Edwards)

Startup: The Complete Handbook for Launching a Company for Less (English Edition) 作者: Elizabeth Edwards 出版社/メーカー: Essential Books 発売日: 2010/12/15 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 面白いのひとこと。 起業について本当…

挫折のすすめ (平石郁生著)

挫折のすすめ (NextPublishing) 作者: 平石郁生 出版社/メーカー: インプレスR&D 発売日: 2014/04/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る タイトルを見ただけでは「若いうちの失敗は買ってでもしろ」という内容の本かと思えるけれど、中身もそれ…

“Project Management in Oil and Gas Industry" (by Sikander Sultan)

PROJECT MANAGEMENT IN OIL AND GAS INDUSTRY (English Edition) 作者: Sikander Sultan 出版社/メーカー: Expert of Course Publishing 発売日: 2017/07/10 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る コーヒーカップを手元においてノートパソコンで仕…

全社員生産性10倍計画 (本間卓哉著)

著者が手がけるIT顧問業務や、著者の会社が提供するソフトウェアを売りこむ文章がしばしば出てきて、なんだか会社パンフレットを読んでいるような気がしてきてしまうが、内容はわかりやすい本。 企業のIT活用は主に2点。社内環境をIT化し、生産性や業務効率…

【おすすめ】『新訳ハイパワー・マーケティング あなたのビジネスを加速させる「力」の見つけ方』(ジェイ・エイブラハム著)を読んだ

新訳 ハイパワー・マーケティング あなたのビジネスを加速させる「力」の見つけ方 作者: ジェイ・エイブラハム,小山竜央 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/10/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 尊敬するブロガー、トイアンナさまが絶…

『6つの帽子思考法 -視点を変えると会議も変わる』(エドワード・デ・ボーノ著)を読んだ

この本で紹介されている「6つの帽子メソッド」は、それぞれ特定の「視点」を表す。このメソッドの真髄は、帽子の色を指定することで一度に一つの視点からものごとを考えること、そして考え方を意図的にスイッチできることだ。 名前のとおり帽子(そして視点…

『トップ営業のお客様から「教わる力」』(小山聡章著)を読んだ

冒頭の方に、「生命保険はご家族への愛情を形にしたもの」といったどこかで聞いた宣伝文句が書かれていたので、「生命保険の素晴らしさをひたすら説く宣伝本か?」とちょっと身構えた。 しかし、読み進めるにつれて、生命保険だけに限らず、著者のこれまでの…

【おすすめ】 『売上目標は立てるな! 20人までの組織をまとめるリアルマネジメント』(岩渕龍正著)を読んだ

売上目標は立てるな! 20人までの組織をまとめるリアルマネジメント 作者: 岩渕龍正 出版社/メーカー: CCCメディアハウス 発売日: 2013/10/11 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る タイトルがキャッチーだから、「トンデモ本?」と一瞬身構えてし…

いわゆる「当たり前の幸せ」を愚直に追い求めてしまうと、30歳サラリーマンは、年収1000万円でも破産します (小屋洋一著)

この本のメッセージは明快だ。 「今現在、みんなお金を使いすぎていますよ。 『自分は普通に暮らしている』と思っているあなたこそ、生活を改めないと、破産してしまいますよ」 著者がいう「普通の暮らし」とは、結婚して、子供を作り、家を買って、保険にも…

ラッキーをつかみ取る技術 (小杉俊哉著)

前著『30代はキャリアの転機』が面白かったから、同じ著者の本を探して読んだ。 初版2005年だから前著とそんなには出版時期が離れていないが、この本では著者の勢いは随分抑えられていると感じた。前著は著者自身の経験談に集中して「これが言いたいんだ!」…

30代はキャリアの転機 (小杉俊哉著)

30代はキャリアの転機 (NextPublishing) 作者: 小杉俊哉 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング 発売日: 2016/05/12 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る この本は1998年出版の処女作『29歳はキャリアの転機』を再版したものであるが…

3年後、転職する人、起業する人、会社に残る人 (佐藤文男著)

著者はまだ転職が一般的でなかった90年代に転職と起業を両方経験している。今は人材紹介ビジネスを営み、転職希望者のサポートをしている。転職関連の本は毎年一冊ペースで10数冊出している。 これは私の持論だが、一人の著者が同一テーマで複数冊の本を書く…

ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則 (ジム・コリンズ、ジェリー・ポラス著)

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則 作者: ジム・コリンズ,山岡洋一 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 1995/09/26 メディア: 単行本 購入: 33人 クリック: 196回 この商品を含むブログ (276件) を見る 経営者だけではなく、従業員、さらに…

社長復活 ぼくが再起業した理由 (板倉雄一郎著)

社長復活 作者: 板倉雄一郎 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2013/01/25 メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 2回 この商品を含むブログを見る IT起業家の頭の中を垣間見せてくれるとても面白い本。 著者の板倉雄一郎氏の略歴はこうだ。 高校卒…

他社から引き抜かれる人の仕事術 (中山遼二著)

ヘッドハンティングされる人にはさまざまなタイプがいるだろうけれど、この本はその特徴を93項目にまとめている。いずれもなるほどと深々とうなずけるものばかりだ。 著者はヘッドハンティングを、仕事の成果を誰かが認めたから起こるものだと捉える。具体的…

『買収ファンド ハゲタカか、経営革命か』(和田勉著)を読んだ

買収ファンドという言葉にはあまりなじみがなかった。ファンドという言葉は米国発マネーゲームの一種で、破綻寸前の企業を安く買って高く売ることでもうけているというイメージだった。著者に言わせるとこれはハゲタカに近いイメージだそうだが、買収ファン…

私、社長ではなくなりました。ワイキューブでの7435日 (安田佳生著)

私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日 作者: 安田佳生(やすだよしお) 出版社/メーカー: プレジデント社 発売日: 2012/02/28 メディア: 単行本 購入: 7人 クリック: 48回 この商品を含むブログ (13件) を見る 2011年3月10日、東日本大震…

その仕事のやり方だと、予算と時間がいくらあっても足りませんよ。 (降籏達生著)

『大金持ちの教科書』を読んだときのブログ記事にこう書いた。 【マネジメントがある判断をしたが、その内容は私には理解しがたかった。だが後に、マネジメントからすると非常に合理的な判断であったと分かった。 このことは私に、立場による判断の違いを深…

企業はなぜ危機対応に失敗するのか 相次ぐ「巨大不祥事」の核心 (郷原信郎著)

神戸製鋼が揺れている。全世界の製造業を巻きこんだ前代未聞レベルの不祥事に発展しそうで、企業として市場からの退場はもはや時間の問題のように思える。 だが「偽装」された数値がなにで、品質にどのような問題が生じうるのかはなかなか詳細が見えてこない…