コーヒータイム

日々読んだ本の感想。時々日常。

小説・エッセイ

アジアの隼 (黒木亮著)

アジアの隼 作者: 黒木亮 出版社/メーカー: サウンズグッド カンパニー 発売日: 2013/03/05 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る この小説は著者の第二作にして、実際のベトナム勤務経験をベースに「書かずにはいられなかった」経済発展が勢いづ…

空棺の烏(阿部智里著)

空棺の烏 八咫烏シリーズ 4 (文春文庫) 作者: 阿部智里 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/06/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 八咫烏シリーズの四作目。舞台は人ではなく八咫烏が支配する世界。金烏(きんう)と冠する族長宗家が君臨し、…

アラビアの夜の種族 (古川日出男著)

アラビアの夜の種族 (文芸シリーズ) 作者: 古川日出男 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2001/12 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 152回 この商品を含むブログ (162件) を見る 尊敬するブログ「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる…

黄金の烏 (阿部智里著)

黄金の烏 八咫烏シリーズ 3 (文春文庫) 作者: 阿部智里 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/06/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (6件) を見る この小説で一番印象に残った言葉は、なぜか、「うまいもの、どうもありがとう」だ。 本作は八咫烏シ…

沈鱼《朝九晚五》

これもちょこちょこ読みながら書きためていたもの。海外書籍の原文は3日以内に読み切るのはたいへんきびしいから、少しずつ読み進めて、読み終わったところで書評を書く。だいたい読み終わるのに数週間かかる。 この小説はテレビドラマ原作小説ではないけれ…

李可《杜拉拉升职记》(テレビドラマ原作小説)

八咫烏シリーズを読み進める前に、ちょこちょこ書きためていた書評を完成させてブログに載せることにした。三冊だけだから多くはない。 中国職場小説の草分け的存在であり、「ホワイトカラー(営業または人事担当者)が出世していく物語を通して、職場の複雑な…

烏は主を選ばない (阿部智里著)

烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2 (文春文庫) 作者: 阿部智里 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/06/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (10件) を見る 本作は八咫烏シリーズの二作目。 舞台は同じく、人ではなく八咫烏が支配する世界。金烏(き…

烏に単は似合わない (阿部智里著)

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫) 作者: 阿部智里 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2014/06/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る 途中でおもいきり世界をひっくり返された。 きらびやかな王朝絵巻の舞台を楽しんでいた…

蒼穹の昴(4) (浅田次郎著)

蒼穹の昴(4) (講談社文庫) 作者: 浅田次郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2004/10/15 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 35回 この商品を含むブログ (92件) を見る 大清帝国の断末魔をのせて、登場人物それぞれの運命は疾走する。ついに政権から離れる…

蒼穹の昴(3) (浅田次郎著)

蒼穹の昴(3) (講談社文庫) 作者: 浅田次郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2004/10/15 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 35回 この商品を含むブログ (78件) を見る 第3巻冒頭から、当時租界に住んでいた外国人達が登場する。主人公の梁文秀(リャン・ウ…

蒼穹の昴(2) (浅田次郎著)

蒼穹の昴(2) (講談社文庫) 作者: 浅田次郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2004/10/15 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 33回 この商品を含むブログ (95件) を見る 19世紀末、中国。清朝末期。「ラストエンペラー」愛新覚羅溥儀の一代前である光緒帝が…

蒼穹の昴(1) (浅田次郎著)

蒼穹の昴(1) (講談社文庫) 作者: 浅田次郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2004/10/15 メディア: 文庫 購入: 9人 クリック: 209回 この商品を含むブログ (210件) を見る 面白い小説だ。黄砂舞うかつての北京の空気のにおいまで感じとれるような。時代を生…

周梅森《我主沉浮》(テレビドラマ原作小説)

同じ作者の小説をもう一冊。こちらも原作は人気政治小説で、全35話でテレビドラマ化されている。 このドラマは2005年6月放映開始とやや古い。 ドラマ企画前の2004年4月、中国国家広播電影電視総局(中国大陸でのすべてのメディア放送内容を審査し、不適切な内…

周梅森《人民的名义》(テレビドラマ原作小説)

中国の人気連続テレビドラマをオンラインで見ており、時には原作小説を読んでいる(どちらも原文)。面白いものをこのブログでも紹介したいと思う。 私は現代中国書籍ではビジネス小説、テレビドラマ原作、テクノロジー関連を読む。それ以外のジャンルにはあま…

バンダルの塔 (高杉良著)

新装版 バンダルの塔 (講談社文庫) 作者: 高杉良 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/09/28 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る この小説は実話をベースにしている。 大産油国イラン。石油産出にともない、天然ガスが大量に噴き出ていたが、…

シェエラザード(下) (浅田次郎著)

シェエラザード(下) (講談社文庫) 作者: 浅田次郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2002/12/13 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 56回 この商品を含むブログ (42件) を見る 「地政学は悪党の論理だ。その意味するところは、国家の望むものを獲得するため…

シェエラザード(上) (浅田次郎著)

シェエラザード(上) (講談社文庫) 作者: 浅田次郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/09/28 メディア: Kindle版 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る シェエラザードまたはシェヘラザード。千夜一夜物語の語部である聡明なアラビアの…

千年の黙 異本源氏物語 平安推理絵巻』(森谷明子著)

千年の黙 異本源氏物語 (創元推理文庫) 作者: 森谷明子 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2009/06/25 メディア: 文庫 クリック: 2回 この商品を含むブログ (13件) を見る 平安時代は、物語の舞台としてとても好きな時代だ。貴族間の恋のかけひき、季節の…

陰日向に咲く (劇団ひとり著)

陰日向に咲く (幻冬舎文庫) 作者: 劇団ひとり 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2012/09/12 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 軽いテイストの小説。5人の"陽に当たらない落ちこぼれ"の人生がほんの一点で交差する群像劇を、5篇の短編小説で…

君の膵臓をたべたい (住野よる著)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫) 作者: 住野よる 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2017/04/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る 映画にもなった大ヒット青春小説。近所の本屋で、山積みになった文庫本の前でエンドレスにプロモーション映…

脱・限界集落株式会社 (黒野伸一著)

脱・限界集落株式会社 (小学館文庫) 作者: 黒野伸一 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2016/11/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 『限界集落株式会社』の続き。止村経営が軌道に乗り、急激な成長はないものの持続的活況が見えてきたころ…

22年目の告白 ー私が殺人犯ですー (浜口倫太郎著)

22年目の告白-私が殺人犯です- (講談社文庫) 作者: 浜口倫太郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/04/14 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 藤原竜也、伊藤英明W主演で映画化されたことで、この小説のことを知った。 1995年1月14日から…

道を継ぐ (佐藤友美著)

この本を手に取ったのはタイトルと表紙が美しかったからで、取り上げられている鈴木三枝子さんという美容師のことは、本を開くまで知らなかった。 髪は邪魔にならなければいいやという考えの私であるが、それでも美容院でカットを終え、鏡を見て、髪が美しく…

シェリー『フランケンシュタイン』

「おれはおれをつくったおまえにも嫌われている。だとすれば 、おれに何の恩義もないほかの人間からどんな希望がもらえるというのか?はねつけられて嫌われるだけのことだ。」 哀れで惨めな醜い生き物、主人公フランケンシュタインの手で、納骨堂の骨と動物…

世界文学の名言 (クリストファー・ベルトン著)

著者もふれているように、たいていの文学の名言はその文学物語のストーリーの中で理解されるべきであるけれど、その部分だけでも心に触れてくるものをいくつか書く。 Fear of danger is ten thousand times more terrifying than danger itself. ーー危険へ…

チェーホフ『ワーニャ伯父さん』

ビジネス書が続いたので文学で息抜き。チェーホフの四大戯曲のひとつで、田舎生活の情景と副題が打たれているものだ。 私はロシア文学をあまり読まない。理由は人名が覚えにくすぎること。例えばこの本のタイトルにもなった主人公「ワーニャ伯父さん」のワー…

魯迅 《祝福》

魯迅の小説二作目。『阿Q正传』よりは分かりやすいのだが…読了後の正直な感想は「なぜよりによってこのタイトルにした?」だ。 小説の主人公は旧正月を控えて故郷に戻り、親戚宅に居候している。村全体で旧正月のお祝いに特別なごちそうを用意し、爆竹を鳴ら…

【おすすめ】"The Bone Collector" by Jeffery Deaver

The Bone Collector: The thrilling first novel in the bestselling Lincoln Rhyme mystery series 作者: Jeffery Deaver 出版社/メーカー: Hodder & Stoughton 発売日: 2009/05/28 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 初めて読む、ミステリー…

おいしいおしゃべり (阿川佐和子著)

タイトルから料理関係が多いかと思ったが、そんなことはなく、料理、幼き日の思い出、思い入れがある品物、好きな場所などについてとりとめもなく綴ったエッセイを収めたエッセイ集。『おいしいおしゃべり』というタイトルのエッセイもある。内容はアメリカ…

魯迅 《阿Q正传》

魯迅作品の中でも有名な、魯迅唯一の中篇小説だが、初読の感想は「わけわからん」だった。 未荘という村に住む貧乏労働者阿Qは、どこにでもいるような貧民だ。家がなく、着ているものはボロボロで、さびれた寺の建物の中で寝起きし、時折村民のところで短期…