コーヒータイム

日々読んだ本を紹介しています。英語や中国語書も時々。面白そうだと感じる本があれば、ぜひあなたも読んでみてください!

海外書原文(中国語)

中国人と中国文化の宿痾のありかを心理学観点から(恐る恐る)さぐってみた〜武志紅『巨嬰国』

巨嬰、という単語が中国語にある。 意味は字面のごとく「巨大な赤ちゃん」、日本語でいうところの「見た目は大人、頭脳は子供」を指す単語だ。 この本の著者は、この単語からスタートして、現代中国社会にひそむ心理的問題を説明しようと試みている。 …と言…

中国公務員を知るための必読書《候衛東官場筆記》

中国の小説は、ビジネス小説と公務員小説が人気ジャンルになっているが、この本は公務員小説の草分け的存在であり「公務員を目指すなら必ず読め」と言われている名作。シリーズは何冊も刊行されており、登場人物304名、84件の内部闘争、66の公務員期間、23回…

なぜ中国人は不動産を買わずにはいられないのか?『三日でわかる中国経済』

三天?懂中国??(升?版)(??3版) メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る つい先日、わたしがよくリンクを貼るAmazonが中国市場から撤退するかもしれないと耳にした。 中国側はこのことを歓迎しているらしい。オンラインショッピングの競争相手が…

現代中国を理解するための良書『中国2017』

ぜひ読んでほしい一冊。 著者は中国籍の女性経済学者、ジャーナリスト。中国国内で政治的に敏感な話題に踏みこむ言論活動を貫いたため、国家安全当局による常時監視、尾行、強制家宅捜査をはじめとするさまざまな圧力を受け、二〇〇一年に中国を脱出してアメ…

孔子《論語 第十三篇 子路》

孔子の「論語」を読んでいく。今回読むのは《子路篇》、孔子の弟子である子路が、孔子との対話をまとめた部分。その中で心に残ったものをいくつかブログに書きとめる。この篇では孔子の理想主義者なところがとてもよく出ている。 13·3 ......名不正则言不顺…

孔子《論語 第二篇 為政》

孔子の「論語」を読んでいこうと思ったのは一年前だったが、全20篇のうち2篇読んだだけで止まってしまった。ようやく再開しよう。 今回読むのは《為政篇》、政治について孔子が考えたことをまとめた部分だ。その中で心に残ったものをいくつかブログに書きと…

司馬光《資治通鑑》巻百八十一: 隋紀五

《資治通鑑》。全294卷、約1300年にわたる中国の歴史を記録したものであり、権謀術数渦巻く宮廷権力闘争を学ぶには最適だと毛沢東も愛読していた。 あまりにも長編ゆえ、気がむいたときに少しずつ読んでいく。順不同で興味が向いたところを読んでいくつもり…

司馬光《資治通鑑》卷百七十七: 隋紀一

歴史は繰り返すといわれるように、ある国家の現在を理解し、未来を予測しようとするならば、その国家が過去歩んできた歴史をひもとくのが近道である。 アメリカとの熾烈な貿易戦争で注目を集めている中国だが、この先どうなるのか、さまざまな憶測が飛び交っ…

エリートキャリアウーマンの騙し合い《浮沈》(テレビドラマ原作小説)

久しぶりに中国語原文でビジネス小説を読んだ。これまで読んできた中では恋愛要素控えめでなかなか私好み。 物語は主人公喬莉(チョウ・リー)が朝に目覚めるところから始まる。 25歳の喬莉は大手外資系IT企業で受付嬢をしていたが、中国地区総裁が彼女のビ…

男と女の視線がからみあうとき《アンナ・カレーニナ》

2018年サッカーワールドカップロシア大会で、決勝トーナメント(個人的には英語のknock-out stageという表現が好きだ)が始まってから地元ロシアの快進撃が続いている。日本は惜しくもベルギーに0-2から3-2の逆転勝利という底力を見せつけられての敗退となった…

蒙曼 《蒙曼说唐:武则天》

最近中国の人気テレビ番組《百家講壇》をよく見ている。さまざまなテーマについて専門家が一般向けにやさしく講義するもので、内容は主に歴史、文学、現代社会。画面下に字幕もついており、中国語聞取りにも歴史学習にももってこいだ。中国の歴史教育は「な…

沈鱼《朝九晚五》

これもちょこちょこ読みながら書きためていたもの。海外書籍の原文は3日以内に読み切るのはたいへんきびしいから、少しずつ読み進めて、読み終わったところで書評を書く。だいたい読み終わるのに数週間かかる。 この小説はテレビドラマ原作小説ではないけれ…

李可《杜拉拉升职记》(テレビドラマ原作小説)

八咫烏シリーズを読み進める前に、ちょこちょこ書きためていた書評を完成させてブログに載せることにした。三冊だけだから多くはない。 中国職場小説の草分け的存在であり、「ホワイトカラー(営業または人事担当者)が出世していく物語を通して、職場の複雑な…

周梅森《我主沉浮》(テレビドラマ原作小説)

同じ作者の小説をもう一冊。こちらも原作は人気政治小説で、全35話でテレビドラマ化されている。 このドラマは2005年6月放映開始とやや古い。 ドラマ企画前の2004年4月、中国国家広播電影電視総局(中国大陸でのすべてのメディア放送内容を審査し、不適切な内…

周梅森《人民的名义》(テレビドラマ原作小説)

中国の人気連続テレビドラマをオンラインで見ており、時には原作小説を読んでいる(どちらも原文)。面白いものをこのブログでも紹介したいと思う。 私は現代中国書籍ではビジネス小説、テレビドラマ原作、テクノロジー関連を読む。それ以外のジャンルにはあま…

魯迅 《祝福》

魯迅の小説二作目。『阿Q正传』よりは分かりやすいのだが…読了後の正直な感想は「なぜよりによってこのタイトルにした?」だ。 小説の主人公は旧正月を控えて故郷に戻り、親戚宅に居候している。村全体で旧正月のお祝いに特別なごちそうを用意し、爆竹を鳴ら…

魯迅 《阿Q正传》

魯迅作品の中でも有名な、魯迅唯一の中篇小説だが、初読の感想は「わけわからん」だった。 未荘という村に住む貧乏労働者阿Qは、どこにでもいるような貧民だ。家がなく、着ているものはボロボロで、さびれた寺の建物の中で寝起きし、時折村民のところで短期…

孔子 《論語 第十二篇 顔淵》

有名な「己の欲さざるところは人に施すなかれ」など、名言が多く入った篇。順番飛ばして読んでみた。 12-01 顏淵問仁。子曰。克己復礼為仁。一日克己復礼。天下帰仁焉。為仁由己。而由人乎哉。顏淵曰。請問其目。子曰。非礼勿視。非礼勿聴。非礼勿言。非礼勿…

孔子 《論語 第一篇 学而》

孔子の「論語」を読んでいく。全20篇。それぞれは短いが内容が深奥だ。気が向いたときに1篇ずつ、好きな順番で読んでいこうと思う。 01-01 子曰。学而時習之。不亦説乎。有朋自遠方來。不亦楽乎。人不知而不慍。不亦君子乎。 子曰く、学びて時にこれを習う。…