コーヒータイム

日々読んだ本の感想。時々日常。

『おいしいおしゃべり』(阿川佐和子著)を読んだ

タイトルから料理関係が多いかと思ったが、そんなことはなく、料理、幼き日の思い出、思い入れがある品物、好きな場所などについてとりとめもなく綴ったエッセイを収めたエッセイ集。『おいしいおしゃべり』というタイトルのエッセイもある。内容はアメリカ…

『フリー 〈無料〉からお金を生み出す新戦略』(クリス・アンダーソン著)を読んだ

本を毎日読むようになって、自分自身の好みがはっきりしつつある。私はどうやら三種類の本が好きらしい。 ① まったく知らなかった世界を目の前に広げてくれる本。地政学がまさにそれだ。 ② 自分自身ではなんとなく感じていたけれど言葉にできなかったことを…

魯迅『阿Q正传』を読んだ

魯迅作品の中でも有名な、魯迅唯一の中篇小説だが、初読の感想は「わけわからん」だった。 未荘という村に住む貧乏労働者阿Qは、どこにでもいるような貧民だ。家がなく、着ているものはボロボロで、さびれた寺の建物の中で寝起きし、時折村民のところで短期…

『なぜ繁栄している商店街は1%しかないのか』(辻井啓作著)を読んだ

この本を読み進めていくと、著者は商店街活性化方法についてとことん考えて、実践して、成功と失敗を繰り返してきて、その経験をすべてこの本にメッセージとしてこめたのだと伝わってくる。 著者が考える商店街活性化はとてもシンプルだ。行きたくなるお店が…

『40連隊に戦闘技術の負けはない』(二見龍著)を読んだ

アメリカ国籍をもつ鹿児島出身の戦闘インストラクターであり、FBIへの戦闘技術訓練などアメリカで戦闘技術指導経験を積んだイチロー氏が、福岡県北九州市に駐在する陸上自衛隊第4師団第40普通科連隊に世界標準の戦闘技術を手ほどきする過程について書いた本…

『なぜ、嫌われ者だけが出世するのか?』(斎藤勇著)を読んだ

さまざまなビジネス上の人間心理を、実験社会心理学から解きあかそうとする一冊。 なぜ上司は依怙贔屓をするか? なぜ互いに足を引っ張りあうのか? なぜ上司は権限を振りかざすようになるのか? 身近で見る機会がそれなりにある現象を実験社会心理学の実験…

『状況認識力UPがあなたを守る -元CIA捜査官が実践するトラブル回避術』(ジェイソン・ハンソン著)を読んだ

この本で教えるのはサバイバル・インテリジェンスと、トラブル回避のための具体的方法だ。サバイバル・インテリジェンスとは、どんな緊急事態にも適切に対応できるという自信のことであり、危険な状況下で、その場にある道具を使って素早く、無駄なく反応す…

『潜行 -地下アイドルの人に言えない生活』(姫乃たま著)を読んだ

最初に姫乃たまという名前に触れたときのことは、覚えていない。私はアイドルにあまり興味がない方で、AKB48全盛時代でさえ神7の名前をすべて言えなかったほどだ。その私が地下アイドルに興味を持ちはじめたのは、ひとえに姫乃たまに興味をもったからだと思…

『未来をつくる起業家-日本発スタートアップの失敗と成功 20ストーリー』(ケイシー・ウォール著)を読んだ

日本は言語の壁、文化の壁、商習慣の壁などがあり、シリコンバレーなどに比べれば起業しにくいと言われるが、それでも徐々にIT起業は増えてきている。本書はその中でそこそこの成功を収めた若き起業家20人にインタビューしたもので、成功、失敗、苦労、喜び…

『となりの脅迫者』(スーザン・フォワード著)を読んだ

『毒になる親』の著者、スーザン・フォワードによる本。一行目からトラウマを刺激にくる、心当たりがある人が精神的に弱っている時に読むのを控えた方がいい本。 〈週に一度、夜間講座に通いたい、と夫に言ったんです。すると夫は、いやに穏やかな、そのくせ…

『世界500万人が実践する営業術』(ブライアン・トレーシー著)を読んだ

営業術をテーマとするビジネス書は、日本人作者によるものを何冊か読んだことがあるが、この本と似た内容ながら、書かれている順番が真逆だったのが面白い。 日本人作者の本では、まず相手のニーズをつかむための「聞く力」から書き始めていた。一方、カナダ…

"Geopolitics of the Balkans and Beyond: What Do Russia, China, and United States Want?" (Filip Kovacevic)を読んだ

洋書チャレンジ第二弾。地政学についての本だ。タイトル通り、バルカン半島情勢を中心に述べたエッセイを一冊の本にまとめている。それぞれのエッセイは短いので、疲れる前に読み終わる。 バルカン半島はヨーロッパの南東部で、「ヨーロッパの火薬庫」と呼ば…

"Affairs of State: United States Grand Strategy and National Security" (Don Treichler)を読んだ

英語学習も兼ねて、戦略論関連の洋書原文に手を出してみた。 著者によると、戦争には九つの "Principal - 原則" がある。このうち原則1は原則2-3に、原則4は原則5-9すべてに関わる。(注: 私の限られた英語力で、一部意訳しているため、原文とニュアンスが違…

『悪の論理: 地政学とは何か』(倉前盛通著)を読んだ

著者によれば、地政学とはおおよそ次のような学問である。 (1) 国家を主要要素とする国際経営の理論 (2) 国家の望むものを獲得するための行動原理 (3) 世界的勢力を確保するための活動の科学 著者は地政学を「悪党の論理」と呼んではばからない。その意味す…

『ビジネス・インテリジェンス-未来を予想するシナリオ分析の技法』(北岡元著)を読んだ

昨日は原因不明のだるさで早々と寝たので、本を一冊読めなかった。貧血症状に近い気がする。今日は幾分良くなった。 この本は以前読んだ『シナリオ・プランニング』に似た内容かと思っていたが、似ている点とそうではない点があるようだ。共通点は、どちらの…

『統計学の7原則-人びとが築いた知恵の支柱』(スティーブン・M・スティグラー著)を読んだ

統計解析がむかしから苦手な私は最初の10ページですでにくじけそうになったが、とばしつつ読みすすめた。 だが専門的にすぎて、後半ではなにを言っていたのかほとんどわからなかった。かろうじて以下に書きとめたことが分かった。一番良く分かったのは、私は…

『シナリオ・プランニング-未来を描き、創造する』(ウッディー・ウェイド著)を読んだ

シナリオ・プランニングの最大の特徴は計画作成ではない。「行動」を支援することだ。 シナリオ・プランニングによって、起きうる複数の未来を探り出し、それらの未来がもたらすチャンスと脅威に柔軟に対応するための施策を戦略に取り入れることができる。複…

『病いと癒しの人間史ーペストからエボラウイルスまで』(岡田晴恵著)を読んだ

『銃・病原菌・鉄』では旧大陸から新大陸に持ちこまれた病原菌が新大陸の先住民を文字通り壊滅状態に追いこんだことが書かれているが、この本では旧大陸で人びとが病原菌へのある程度の耐性を獲得するまでに起こったことを主につづったエッセイがまとめられ…

「銃・病原菌・鉄(下)」(ジャレド・ダイアモンド著)を読んだ

どっしりとした名著の下巻。話は次第に技術発展に入っていく。 技術発展に対する著者の見解はこうだーー「技術は、非凡な天才がいたおかげで突如出現するものではなく、累積的に進歩し完成するものである。また、技術は、必要に応じて発明されるのではなく、…

「銃・病原菌・鉄(上)」(ジャレド・ダイアモンド著)を読んだ

どっしりとした名著を読みたくなって選んだ本。「東大の教師が新入生にオススメする100冊」などのリストの常連である名著だ。 一日で読了するにはあまりにも濃い内容だが、週末をかけて読み切ることに挑戦した。 本書で問われているのは「なぜ、人類社会の歴…

「同じモノを売っているのに、儲かっている会社、儲からない会社」(金子智朗著)を読んだ

この本で著者は、手を変え品を変えて「利益の源泉は顧客であり、製品ではない。最新技術を使った製品が売れるのではなく、顧客がほしいと思う製品が売れる。従って顧客の価値になるような商品開発を行い、マーケティングをすることが重要である」と述べてい…

「人生ドラクエ化マニュアル」(JUNZO著)を読んだ

面白くて一気に読んだ。 「ゲームとは、目的を達成するための、ルールに基づいた、敵との楽しい闘い!」 から、 「人生を含むあらゆるものにゲームの三大要素(目的、ルール、敵)をブチこめばそれはゲーム化する」 という着想を得た著者による人生ゲーム化理…

「「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!」(NATROM著)を読んだ

小学校に上がる前後、家庭医学関連の分厚い本を児童書のように読みふけっていた時期があった。勉強のためではもちろんなく、怖いもの見たさで頭痛、腹痛、喀血などさまざまな症状について書かれているのを見たり(幸か不幸か写真掲載はなかった)、食事療法や…

「システム障害はなぜ二度起きたか みずほ、12年の教訓」(日経コンピュータ編)を読んだ

みずほが東日本大震災直後に引き起こした大規模なシステム障害は、大ニュースになったため私の記憶に残っている。当時は義援金振込が殺到したためシステムダウンしたらしい、くらいの認識だったが、この本を読んで、その考えが間違っていたことがわかった。 …

「エンデュアランス -史上最強のリーダー シャクルトンとその仲間はいかにして生還したか」(アルフレッド・ランシング著)を読んだ

この本に書かれていることはすべて真実である。史上稀に見る凄まじいできごとを、それを生き抜いた男たちの姿を、著者はできる限り正確に再現しようとしている。重厚なドキュメンタリーだ。 できるならば夏ではなく、冬の夜、暖房を切った部屋の中で薄い毛布…

「100歳まで成長する脳の鍛え方」(加藤俊徳著)を読んだ

中高年年齢層をターゲットに、脳を鍛えるためのトレーニング方法紹介している本。手にとってはみたものの、私にはまだ早かった。一日一冊読了すると決め、手当たり次第に読んでいればこういうこともある。 著者は、脳は100歳まで成長出来ると主張する。脳の…

「OUT(下)」(桐野夏生著)を読んだ

上巻に続き、物語はどんどん薄暗い方に流れていく。山本弥生の夫健司を殺した容疑者として逮捕され、証拠不十分で釈放された佐竹が、暗い情熱をもって健司殺しの真犯人を探し始める。 山本弥生。ギャンブル狂で家庭内暴力をふるう夫がいなくなってから解放さ…

「ジョギングから始めるフルマラソン」(内山雅博著)を読んだ

「フルマラソンを走ることが健康につながるというより、いつでも走り(歩き)切るだけの健康を確保していたいというのが、私の希望です。」 著者は冒頭にこう書いている。まさにその通りで、フルマラソンに申しこみ、フルマラソンを走ると考えるだけで、自然に…

「面と向かっては聞きにくいイスラム教徒への99の大疑問」(佐々木良昭著)を読んだ

昨日は飲みすぎで帰宅後倒れこむように寝たため本を一冊読めなかった。反省。 イスラム教徒の知り合いがいる。中東ではなくインドネシアやバングラデシュ出身だから、戒律にはそこまで厳しくないし、異教徒への理解もあるが、豚肉やお酒類はもちろんダメ、日…

「OUT(上)」(桐野夏生著)を読んだ

読み進めるとひどく息苦しくなってくる小説だ。登場人物が希望を抱くことができない状況の中でもがいており、今にも窒息しそうになっているせいかもしれない。ねっとりと綴られる小説の中の情景が、夏夜の湿った熱気のようにまとわりついてくる気がする。 物…