コーヒータイム

日々読んだ本を紹介しています。英語や中国語書も時々。面白そうだと感じる本があれば、ぜひあなたも読んでみてください!

【おすすめ】小説ではなく人生そのもの『白銀の墟 玄の月』

白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/10/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 20…

中国公務員を知るための必読書《候衛東官場筆記》

中国の小説は、ビジネス小説と公務員小説が人気ジャンルになっているが、この本は公務員小説の草分け的存在であり「公務員を目指すなら必ず読め」と言われている名作。シリーズは何冊も刊行されており、登場人物304名、84件の内部闘争、66の公務員期間、23回…

感想がひどく書きづらい、なんともいえない読後感『黒祠の島』

黒祠の島 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2007/06/28 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 268回 この商品を含むブログ (34件) を見る 一度めに読み終わったあと、消化不良感が残り、もう一度最初から読んだ。 「信頼できない…

21世紀情報戦争の一部としてとらえるべき『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』

これまでフェイクニュースといえばデマや風評被害のようなもので、すぐにネットで検証されてウソがばれるから気にしなくてもよい、程度の認識しかなかった。 その認識がものすごく甘いことを、読書開始後3分でつきつけられた。 ネット世論操作は近年各国が…

光が強いほど、影も濃い『アメリカ下層教育現場』

世界一の軍事大国、イノベーションの源泉、最先端テクノロジー、アメリカン・ドリームなどなど、アメリカを形容する華やかな表現はたくさんある。 一方で貧富差が激しく、銃規制が進まずたびたび殺傷沙汰が起こり、医療保険や福祉制度の質が低いゆえに緊急入…

お茶請けにおすすめの甘い一冊『日本百銘菓』

和菓子好きにはたまらない、日本全国のすばらしい和菓子を写真付きで紹介した一冊。 著者は旅を中心とするフリーライターで、四〇年に及ぶ日本全国取材の旅で、のべ五〇〇〇種類もの銘菓を口にしてきたという。その著者が選ぶ、忘れられない和菓子。 定番中…

タイトルにこそ答えよう『IOTビジネスをなぜ始めるのか?』

人工知能、クラウド、ビッグデータ、IOT、RPA…流行りの新しい情報技術についての、なんだか凄そうな単語を新聞や雑誌やネット記事などで見かけない日はなくなったように思う。そしてビジネスパーソン(とくに古めの日系企業に勤める方)は、こういう事態に直…

入門書にぴったり『トコトンやさしい組込みシステムの本』

以前、アイコンをつなげてプログラミングを行うタイプのソフトウェア「ExtendSim」で遊んだことがある。アイコンの機能が見た目ですぐわかるようになっており(演算用なら “+” 記号がついているなど)、入出力もアイコンにくっついている小さな正方形の数と…

女達のサイドストーリー『烏百花 -蛍の章-』

大人気の八咫烏シリーズの番外編。本編ではほとんどの作品が武人の雪哉と若宮を主人公としているため、どうしても男中心の物語になる。けれど本編ではあまり語られない女達にもそれぞれの物語があり、生き方があり、甘い恋や苦い恋がある。今作はそれらを集…

罪をつぐなうにはどうするか『虚ろな十字架』

仮出所中の強盗殺人犯に娘・愛美を殺された小夜子が、死刑廃止論に断固反対するライターとなり、数年後、彼女自身が、ある殺人事件の被害者になった。いったいなにがあったのか、事件後に離婚した元夫・中原が、亡き小夜子の最後の足取りをたどっていく。そ…

[テーマ読書]革命とそれに続く権力闘争はなぜ面白いか

投稿記事が300記事を超えたので、思いつきで、あるテーマについて本を複数(5冊以内)選び、きっちり読書したあと、自分なりに考えたことをまとめる遊びをしてみることにしました。 大学時代の小論文みたいなものだけれど、遊びだから出来不出来は気にしな…

人間関係の泥沼、シリコンバレーへようこそ『サルたちの狂宴』

Chaos Monkeys: Obscene Fortune and Random Failure in Silicon Valley 作者: Antonio Garcia Martinez 出版社/メーカー: Harper Paperbacks 発売日: 2018/07/24 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る サルたちの狂宴 上 ーーシリコンバレ…

美味しいお刺身盛合せのような物語『県庁おもてなし課』

県庁観光振興部おもてなし課。高知県庁に実在する課である。 この小説は、おもてなし課に所属する主人公・掛水和貴と、掛水の誘いでおもてなし課に加わることになった明神多紀の淡い恋愛を中心に、おもてなし課が高知県観光を盛り上げようと悪戦苦闘する物語…

[昔読んだ本たち]ノンフィクション編

エボラ出血熱の恐怖を描いた傑作ノンフィクション『ホット・ゾーン』を読み返して、昔読んだノンフィクションについていろいろ思い出した。『ホット・ゾーン』を読んだときは、エボラ出血熱に感染した人間がどのように破壊されるのか、事細かく描写している…

教養ある英語を書くための必読書『Elements of Style 2017』

The Elements of Style 作者: William Strunk Jr 出版社/メーカー: Value Classic Reprints 発売日: 2016/09/19 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る Elements of Style 2017 (English Edition) 作者: Richard De A'Morelli 出版社/メーカ…

【おすすめ】なぜ人は失敗から学べないのか?『Black Box Thinking』

Black Box Thinking: Marginal Gains and the Secrets of High Performance 作者: Matthew Syed 出版社/メーカー: John Murray Publishers Ltd 発売日: 2016/04/07 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 失敗の科学 失敗から学習する組織、…

秘密を守るために読む本『暗号技術のすべて』

ミステリー好き、小説好きであれば、本書の古典暗号の部分を読みながら「これ見たことある!」と嬉しくなると思う。文字を符号で置き換える手法はそのまんまシャーロック・ホームズの『踊る人形』だし、文字を別の文字に置き換えるのは『ダ・ビンチ・コード…

聖なるものは欲望から生まれる《大聖堂》

大聖堂 (上) (ソフトバンク文庫) 作者: ケン・フォレット,矢野浩三郎 出版社/メーカー: ソフトバンク クリエイティブ 発売日: 2005/12/17 メディア: 文庫 購入: 26人 クリック: 721回 この商品を含むブログ (114件) を見る 大聖堂 (中) (ソフトバンク文庫) …

バラ色の未来を夢見るのは勝手だが、現実は無情である『熊とワルツを』

熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理 作者: トム・デマルコ,ティモシー・リスター,伊豆原弓 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2003/12/23 メディア: 単行本 購入: 7人 クリック: 110回 この商品を含むブログ (149件) を見る タイトルだけではな…

【おすすめ】素晴らしく分かりやすいコンピュータのルールブック『世界でもっとも強力な9のアルゴリズム』

世界でもっとも強力な9のアルゴリズム 作者: ジョン・マコーミック,長尾高弘 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2012/07/19 メディア: 単行本 購入: 15人 クリック: 437回 この商品を含むブログ (20件) を見る 【読む前と読んだあとで変わったこと】 新しい…

アメリカで働きたいなら読んでみよう『エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢』

アメリカでソフトウェアエンジニアとして15年働き、面接される側もする側も両方経験した著者が、アメリカで働くことを考えている日本人向けにまとめた渡米・面接・転職・キャリアアップ・レイオフ対策までの実践ガイド。 実践ガイドと銘打っているだけあって…

ごった煮な入門書『世界一わかりやすいIT業界の「しくみ」と「ながれ」』

マンガを交えながらIT業界の全体像を説明している本で、それぞれのマンガのキャラクターはとある架空のIT会社の従業員という設定だが、会社の組織図までしっかりつくるこだわりぶり。内容はごった煮気味で、IT業界の歴史あり、企業紹介あり、プロジェクトの…

なぜ中国人は不動産を買わずにはいられないのか?『三日でわかる中国経済』

三天?懂中国??(升?版)(??3版) メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る つい先日、わたしがよくリンクを貼るAmazonが中国市場から撤退するかもしれないと耳にした。 中国側はこのことを歓迎しているらしい。オンラインショッピングの競争相手が…

なぜ最低賃金が安いままなのか理解するために『マンキュー入門経済学』

マンキュー入門経済学 (第2版) 作者: N.グレゴリーマンキュー,N.Gregory Mankiw,足立英之,石川城太,小川英治,地主敏樹,中馬宏之 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2014/02/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る めちゃくちゃわか…

はい上がれないということ『東京貧困女子』

東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか 作者: 中村淳彦 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2019/04/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 貧困というキーワードにはむかしからそれなりに関心があった。けれどその時関心があったのは発…

現代の錬金術師『Journey to Data Scientist』

データサイエンティスト。 聞いたことがあるけれど、なにをしているのかよくわからない職業。データのスペシャリストであることはなんとなくわかる。 わたしが今仕事上ぶつかっている問題に役立つかもしれないと思い、本書を読んでみた。 本書は最先端企業で…

異国にて故郷を想う『二つの祖国を持つ女性たち』

ロサンゼルス在住の著者が、出身国や職業がバラバラな移民一世の女性たちに33の全く同じインタビューをして、その結果をまとめたもの。いわゆる移民あるある苦労話の寄せ集めではなく、客観的であることに努め、女性たちの話に感情的に入りこみすぎないよう…

【おすすめ】専門技術よ、大衆のためにあれ『プロフェッショナルの未来』

プロフェッショナルの未来 AI、IoT時代に専門家が生き残る方法 作者: リチャード・サスカインド,ダニエル・サスカインド,小林啓倫 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2017/09/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 【読む前と読んだあとで変…

優等生が見た世界《車輪の下で》

子どものころ、この本を手に取ったことがある。小学生向けにやさしく書き直された児童文学だった。だが、少し読んだだけでやめてしまった。重苦しい雰囲気が好きになれなかった。 大人になって、最後まで読み通せるようになった。ドイツ文学ならではの抑揚の…

100語で小説を書いてみたらこうなった『100 TINY TALES』

“Drabble” という英語小説形式をご存知だろうか。100単語の短編小説である。ちょうど100単語、多すぎず少なすぎず。100単語で面白い物語を切り出すことはとても面白い挑戦である。 本書はひとりの小説家が100単語のDrabbleを100本書き下したもの。内容は実に…