コーヒータイム

日々読んだ本の感想。時々日常。

「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」(太田直子著)を読んだ

私は字幕派だ。俳優の言葉は分からなくても、声のトーンや速さでなんとなく感情はつかめる。なにより声に「その人」らしさが出る。吹き替え版は、俳優と声質が合っていない声優があてられると気になってしまう。40代の落ち着いた俳優が、細く頼りない声で吹き替えられると、もう違和感で映画に集中できない。

字幕にはとてもお世話になっているが、聞き取れる英語と字幕が違うな、と感じることはよくあった。その謎を解いてくれる一冊。

まず日本語字幕は一人称に困ってるんだろうな、というあるあるネタから、映画の解釈そのものを左右しかねない言葉選びまで、著者に共感したりニヤリとしたり。考えてみれば短い言葉でいかに本質を突くかは、漢詩、短歌、俳句などの文学芸術にまで高められているわけで、厳しい字数制限の中で必要な情報を伝えなければならない字幕も、これに通じるものがあるかも。