コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

逃避メシ (吉田戦車著)

エッセイを読みたくなって選んだ一冊。著者は漫画家で、普段は自宅以外に仕事場を持ってそこで執筆している。そこにはキッチンがあり、特に締め切り前になると"逃避メシ"を作りたくなるそうだ。

もちろん時間なんてない、だがそのない時間を原稿ではなくメシ作りに使いたくなるのだ。しかも一人メシ。おいしいものを秘密で、締め切り前のわずかな時間で食べるのがたまらない、というエッセイをまとめた一冊だ。

時間なしの男メシだから凝ったものは出てこない。常備調味料と常備菜、それに旬の食材。誰かに見せるためではなく自分一人を満足させるために食べる。「孤独のグルメ」に似た発想だ。読み終わるとなんだかお腹が空いて、塩気の効いたものが食べたくなった。