コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

営業のビタミン プラス・アルファ (和田裕美著)

この本を書いた和田裕美さんは、昨日読んだ『ザ・エージェント ベストセラー作家を探しつづける男』で紹介されていた方だ。この本の著者エージェントでもちゃんと「アップルシード・エージェンシー」が表示されている。鬼塚忠さんが初めて和田裕美さんに会ったとき、その人間力の高さと、世界No.2セールスウーマンという肩書きにもかかわらずごく普通の女性と同じ感覚を保ちつづけていることに感銘し、この方なら女性が共感できる本を書けると思ったという。

実際に読んでみると、まるで著者が目の前にいて面白く語りかけてくるように感じた。書いていることは知りあいが世間話をするようにわかりやすく、語ることは味わい深い。著者は尊敬する上司から勇気が出る言葉をもらったという。

「誰でも持っていて使いこなせていない5つの財産がある。時間、エネルギー、集中力、技術、想像力だよ」

その言葉はその後ずっと著者の心にある。

著者は、営業とは最初にあなたという人間を売りこまなければいけないという。伝える人がよい影響力を持っていればいるほど商品は売れると。これは以前読んだ交渉術の本でも繰り返し説かれていることで、まずはお客様とよい人間関係を築くのが第一という鉄則だ。信用を得るのは言ったこと、約束したこと、その期限などを徹底的に守ること。これが簡単なようでとても難しいのは、関係が深くなるにつれてちょっとだけならという甘えがでてくるから。だからここをきっちりこなすだけで違う。

本当の営業はちょっとだけおせっかいな親切のようなもの、と著者は言う。とてもいい表現だと思う。自分が売っているものが素晴らしいから、「誰かに伝えたくなる」のだ。そのわくわく感はお客様にも伝わる。そうすることでもっと知りたいと思ってもらえる。あなたの役に立ちますよという営業の言葉に耳を傾けてくれるようになるのだ。