コーヒータイム

日々読んだ本の感想。時々日常。

「プロアクティブ仕事術 コンサルタントが3年目までに身につける仕事をデザインする方法」(石川和幸著)を読んだ

一言でいえば本書は、プロジェクトマネジメントのための指導書だ。

著者はプロアクティブ仕事術を「仕事をデザインし、あなたの未来を作ること」と定義する。右肩上がりの経済成長の時代は終わり、今までとこれからが連続しない時代では、これまでと同じ仕事をただ繰り返すだけでは成長の見込みはうすく、自分から能動的に仕事とキャリアをデザインしなければならないと説く。

著者がプロアクティブ仕事術の要素としてあげたのは以下。

  ① スコーピング: 仕事の目的、範囲、達成目標を明確に区切ること。区切られたスコープ内を自分の責任範囲として仕事する一方、スコープ外との連携も忘れない。

  ② 手順展開: やるべきことの明確化、優先順位付け、無駄作業を減らすための効率化。手順書作成も有効。

  ③ 割付: 適切な人に仕事を依頼する。その作業でどんなことをアウトプットしてほしいのか明確に決める必要がある。ただし、自分が成長できる仕事、主導権に関わる仕事は自分が確保する。

  ④ 見える化: スケジュール、コストを用いた進捗管理

  ⑤ コミュニケーションプラン: 上司とまわりの協力を得るためのホウレンソウ。「知らなかった」という状況は相手を重視していないというメッセージとなり、相手を怒らせて協力を得られなくなる。

  ⑥ リスク対応: 想定外事態を潰す。

  ⑦ スキル計画: 生き残るための学習。

 

私が不思議に思うのは、7項目はみなプロジェクトマネジメントに必須にも関わらず、なぜかきちんとできていることが少ないことだ。

どの項目もそれなりに時間がかかるため、とにかく成果をはやく出したいと焦る人は、腰を落ち着けてこれらの作業をやるのではなく、見切り発車でプロジェクトを走らせ始めることもあるのだろう。プロジェクト規模が大きすぎ、あるいは人手が足りなすぎて、手がまわらないこともあるのだろう。

そういうプロジェクトで大切な事項が取りこぼされたり、やり直しになったりしたのを山のように見てきた。これらの仕事術を身につければ必ず成功するわけではないだろうが、成功したプロジェクトは、これらの項目が必ずある程度出来ていたのだろう。