コーヒータイム

日々読んだ本の感想。時々日常。

『プロアクティブ仕事術 コンサルタントが3年目までに身につける仕事をデザインする方法』(石井和幸著)を読んだ

一言でいえば本書は、プロジェクトマネジメントのための指導書だ。

まずは私自身に、この本の冒頭でとりあげられている5つの質問をしてみよう。

(Q1) 仕事の目標、目的はなんでしょうか?

(A1) 今取り組んでいる仕事では明らかにされている。

(Q2) 仕事の手順は明確でしょうか?

(A2) 試行錯誤だが明確になってきた。

(Q3) 上司だけでなく、協力をしてくれる周りの人にきちんと報告したり、連絡したり、相談したりしているでしょうか?

(A3) 抜け漏れがないとはいえないし、自分が報告している内容が上司の知りたいことからずれているとしばしば感じる。また、口頭報告ばかりで、きちんと書面化、記録化されていないのも改善点。

(Q4) 仕事で起きそうな問題やリスクは、事前に分かって対処しているでしょうか?

(A4) これができていないのがチーム及び私自身の最大の問題点だ。頭の中にさまざまな問題点を思い浮かべることはできるが、問題点整理すらちゃんとできていないことが多い。

(Q5) 仕事上のスキルは今後も安泰でしょうか?

(A5) この分野の仕事自体は需要があるが、私のスキルが期待されているレベルに届いているかというと、まだまだ修行が足りない。

総じて5段階評価で2〜3といったところだろう。

 

著者はプロアクティブ仕事術を「仕事をデザインし、未来を作ること」と定義する。右肩上がりの経済成長の時代は終わり、今までとこれからが連続しない時代では、これまでと同じ仕事をただ繰り返すだけでは成長の見込みはうすく、自分から能動的に仕事とキャリアをデザインしなければならないと説く。

著者がプロアクティブ仕事術の要素としてあげたのは以下。

  ① スコーピング: 仕事の目的、範囲、達成目標を明確に区切ること。区切られたスコープ内を自分の責任範囲として仕事する一方、スコープ外との連携も忘れない。

  ② 手順展開: やるべきことの明確化、優先順位付け、無駄作業を減らすための効率化。手順書作成も有効。

  ③ 割付: 適切な人に仕事を依頼する。その作業でどんなことをアウトプットしてほしいのか明確に決める必要がある。ただし、自分が成長できる仕事、主導権に関わる仕事は自分が確保する。

  ④ 見える化: スケジュール、コストを用いた進捗管理。とくにこれが重要なのは「見える化」のために作った資料をそのままコミュニケーションに使えるからだ。どこまで出来たか、課題はなにか、今後想定できるリスクはなにか。客観的に整理されていれば見直しできる。

  ⑤ コミュニケーションプラン: 上司とまわりの協力を得るためのホウレンソウ。「知らなかった」という状況は相手を重視していないというメッセージとなり、相手を怒らせて協力を得られなくなる。

  ⑥ リスク対応: 想定外事態を潰す。また事前に「こういうことが今後起こるかもしれません」と注意喚起しておくと心構えができる。

  ⑦ スキル計画: 生き残るための学習。スキルは繰り返し、繰り返し間違いなく同じ品質で仕事ができるという「再現性」が身について初めてスキルと認められることに留意。

 

私が最も大切だと思うのは④⑤だ。上司や同僚を動かし、協力を得るために絶対必要だからだ。

よほどのワンマンでもない限り、予算追加してほしい、人を増やしてほしい、などと言っても上司の一存で決められることではない。関係者が納得できる理由が必要だ。その理由作りのためにも、自分の仕事を「見える化」し、具体的にどこがどう大変だから協力してほしいと説明すると、強力な理由になる。

また、そうすることで仕事が早く進み、仕事を管理する立場にある上司のメリットになる、と説明できればなおよい。責任感が強く、最終的に仕事成果の責任を取るのは自分、とわきまえている上司であればあるほど有効だ。

「どうすれば(上司)が決断できる?」

「どうすれば(上司)を支えられる?」

私が常に自分自身に問いかけていることだ。

 

一方で私が不思議に思うのは、7項目はみなプロジェクトマネジメントに必須にも関わらず、なぜかきちんとできていることが少ないことだ。

どの項目もそれなりに時間がかかるため、とにかく成果をはやく出したいと焦る人は、腰を落ち着けてこれらの作業をやるのではなく、見切り発車でプロジェクトを走らせ始めることもあるのだろう。プロジェクト規模が大きすぎ、あるいは人手が足りなすぎて、手がまわらないこともあるのだろう。

そういうプロジェクトで大切な事項が取りこぼされたり、やり直しになったりしたのを山のように見てきた。これらの仕事術を身につければ必ず成功するわけではないだろうが、成功したプロジェクトは、これらの項目が必ずある程度出来ていたように思う。