コーヒータイム

日々読んだ本の感想。時々日常。

「ジョギングから始めるフルマラソン」(内山雅博著)を読んだ

「フルマラソンを走ることが健康につながるというより、いつでも走り(歩き)切るだけの健康を確保していたいというのが、私の希望です。」

著者は冒頭にこう書いている。まさにその通りで、フルマラソンに申しこみ、フルマラソンを走ると考えるだけで、自然に食事や生活習慣に気を配り始めるものなのである。これこそがフルマラソンを走る最大の効果だと思う。

実際のフルマラソンは身体に多大な負担をかける。実業団選手であればシーズン内にフルマラソンを走るのはせいぜい一〜二本(川内優輝選手のように月一回フルマラソンを走るような選手はとんでもなく例外だ)、走り切るのにエネルギー補給は必要不可欠(レース前に摂取したエネルギーだけでは足りない)、レース後一週間程度は免疫力下がっているため風邪を引きやすい、などの話に事欠かない。それでも走る人々はそれ以上に得られるものがあるためで、私もその一人だ。まだ完走を目指すレベルでタイムを気にする段階まではほど遠いが。

フルマラソンに限らず、毎日のジョギングは心身を整え、余分なエネルギーや考えを発散し、すっきりした状態で仕事やプライベートに向き合うことに役立つ。私の場合、朝30分ジムで走る日と走らない日とでは明らかに心身の安定度が違う。一番顕著な効果は理不尽なことがあっても怒り出さず冷静に打開策を考えられるようになること。なんのことはない、怒るためのエネルギーをすでに走ることで消費してしまうからだ。

一流のビジネスマンはどんなに忙しくともみな趣味で何かしらのスポーツに定期的に時間を割く。ゴルフ、水泳、ジョギング、登山などなど。かのオバマ前大統領も、選挙戦の殺人的なスケジュールの中、毎日必ず一時間割いて、随行補佐官とバスケットボールに興じていたという。ストレスを解消する最も良い方法を知っていたのだ。

フルマラソンは体力さえあれば完走できるものではない(そもそも途中でのエネルギー補給必須だ)。こころとからだをコントロールすることが重要な鍵になる。もっと速く走れる、速く走りたいという欲求をどうコントロールするかに尽きるというのが著者の考え方だ。初心者はこわごわとスタートラインを通過し、ペースを抑えてコンスタントに走るくらいがちょうどいい。