コーヒータイム

日々読んだ本の感想。時々日常。

『私、社長ではなくなりました。ワイキューブでの7435日』(安田佳生著)を読んだ

2011年3月10日、東日本大震災前日に、ワイキューブ民事再生を申請した。中小企業の新卒採用コンサルティング及び企業ブランディングを業務内容とする会社で、負債総額は四十二億円だった。本書は、ワイキューブ社長の安田佳生が自身の社長として歩んできた道を振り返ったものだ。

安田氏は子供のころから他人の価値観にあわせることに意味を見出せず、満員電車に乗らなくてすむように社長になりたかったというような人物だ。この本の中で安田氏は「誰かが勝手に決めた常識や既成概念から自由になりたい。思い切りラクに生きたい。そのために必死にもがいてきた。それが、これまでの私の人生だったのだ」と述べている。

ただ安田氏の凄いところはやりたくないことをただ避けるのではなく、やらずに済むような仕組みをつくることを真剣に考えたことである。例えば安田氏は営業電話が大の苦手でやりたくないのだが、「自分がやりたくないことを社員にやらせて、自分はそれを見ているだけというのは居心地が悪かった。そこで社員が営業電話をかけなくてもいいように、顧客から問い合わせがやってくるような仕組みをつくった」ということをやってのけている。ここが安田氏の一番凄いことだと思う。