著者が手がけるIT顧問業務や、著者の会社が提供するソフトウェアを売りこむ文章がしばしば出てきて、なんだか会社パンフレットを読んでいるような気がしてきてしまうが、内容はわかりやすい本。
企業のIT活用は主に2点。社内環境をIT化し、生産性や業務効率を高めることか、 Webを通じて新規顧客を獲得することだ。だが、IT投資が無駄に終わってしまうことも多い。主な理由は 「適したITサービスを選定できる人がいない」「有能なIT担当者がいない」「適したITサービスを導入しても組織に浸透しない」から。ある部分だけ効率化して、それによって他の部分にシワ寄せが来ていたり、解決すべき問題と導入したIT機能間にズレがあったり…。
著者がこの本で強調しているのは、ツールから選んではいけないこと。まずは会社事業がどういう流れで行われていて、どこにどういう問題があるかを把握するのが先。そして、その問題解決に使えるツールがないか。その順番で考えなければいけない。