コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

「本当にいい会社」が一目でわかる有価証券報告書の読み方 (秦美佐子著)

決算の時期である。決算報告が各会社のホームページ上で公開され、従業員や株式投資をしている人々が一喜一憂する時期である。試験前の一夜漬けのように、今から会計知識をちょっと身につけたいと思い、本書を手に取った。

本書は物語形式で進む。監査法人に勤める会計士の主人公が、有価証券報告書に記載された会社情報を使って、友人達の悩みを解決していく。実家の定食屋のもうけを増やしたいという相談には、マクドナルドのビジネスモデルからもうける仕組みを真似できないかと探り、オフィス用品の営業マンには、有価証券報告書から増収増益かつオフィス用品の資産価値が低い=古くなっているため新調する可能性がある会社を探す方法を教える。株式投資を考える友人には、優良企業の見分け方を伝授する。

100ページを越える有価証券報告書だが、どの情報が欲しいか、どこに載っているかがはっきりすれば、読みこなすべきはせいぜい十数ページだ。それで貴重な会社情報が手に入るのだから、宝探し感覚で読み解いてみるのもいい。