コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

人生ドラクエ化マニュアルII 人生の敵攻略編 (JUNZO著)

一冊目の『人生ドラクエ化マニュアル』を読んだのは随分前だが、本を開けば、一冊目を読んだときのワクワク感がよみがえってきた。まずは人生ゲーム化理論のおさらいから始める安心設計がうれしい。

<人生ゲーム化理論>

血湧き肉躍る目的を自ら設定し、

本当のゲームルールを創造的に活用しながら、

敵との闘いを楽しめば、

人生はゲーム化できる。

この本ではさまざまなモンスターが紹介される。モンスターといってもスライムなどのドラクエモンスターではない。死の恐怖、不安の影、見栄世間体などなど、現実世界で出現するモンスターだ。著者はそれらの一見強そうなモンスターたちをどのようなコマンドで倒したり仲間にしたりしたのか、楽しく紹介してくれる。

本書の中で強調されていたのは、モンスターの倒し方よりも、意外なことに、難易度調整だった。著者によると、目的を設定したら敵は自動生成される。つまりあまりにも大きな目的を設定してしまうと、障害となる敵もとんでもなく手強くなり、心が折れてしまうのだ。

多くの人が、大きなゲーム目的を設定したはいいが、そこから一歩も前に進む事ができない主たる原因は、この敵の難易度のバランス調整作業を自分でやっていない事にある(大きなゲーム目的を設定したと同時に、目前に巨大な敵が現れ、戦闘意欲がなくなり、先に一歩も進めなくなる)。

つまり、ゲームを続けるには、適度な難易度調整が不可欠だ。ヒノキの棒しかもたない勇者の前にいきなり魔王が現れるようなゲームがそもそも成り立たないように、「今の武器でギリギリなんとかなるかもしれない」敵になるように目的調整する。なんとかなりそうだと思うと、挑戦心が湧いてくる。そうなればやる気が生じる、というわけだ。

目的を設定したと同時に自動生成される敵の攻略難易度は設定した目的の規模により自動調整されている。つまり、規模の大きなゲーム目的を設定した場合、手強い敵が自動生成されてくるし、規模の小さなゲーム目的を設定した場合、弱い敵が自動生成されてくる。

さて、あなたのゲーム目的はなんだろう?  ちなみに私は、ウルトラマラソン完走が当面のゲーム目的だ。