めちゃくちゃ面白い。イギリス英語がものすごく空気や行間を読む、ある意味日本語に似た言語だとわかる。
たとえばこれ。
(英)I hear what you say.
(訳)君の言うことは耳に入れておくよ。
(真の意味)一応礼儀として聞いておくけど、僕の意見は君とは違う。もうこの話はやめにしよう。
どうだろう。会社勤めなら誰でも心当たりがあるのではないだろうか。もうひとつ。
(英)It’s interesting.
(訳)それは面白いね。
(真の意味)へえそうなんだ。でもなんかおかしいなあ(It’s ...butを連想させて)。まあどうでもいいけど。
ちなみにThat’s interesting. であれば、素直に「それは面白いね」の意味になる。なんとも微妙なさじ加減。
こういったニュアンス満載のイギリス英語を、本書はわかりやすく紹介している。
もともとイギリスは伝統的文化として、自嘲、謙虚、控えめの表現が美徳とされてきたが、島国であるためか、こういったことは日本、特に京都辺りにもよく見られるように思う。言葉以外のニュアンスを巧みに響かせて、本当に言いたいことを口に出すことなく伝える技術だ。
クスリと笑える表現満載でありながら、イギリス英語のよく使う表現を勉強するためにもってこい。今度イギリスの友人を驚かせてみたい人はぜひ読んでみては。