コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

ごった煮な入門書『世界一わかりやすいIT業界の「しくみ」と「ながれ」』

マンガを交えながらIT業界の全体像を説明している本で、それぞれのマンガのキャラクターはとある架空のIT会社の従業員という設定だが、会社の組織図までしっかりつくるこだわりぶり。内容はごった煮気味で、IT業界の歴史あり、企業紹介あり、プロジェクトの進め方あり、業界あるある話あり、といった具合。わたしがこの本を読んだのは、IT業界の仕事の進め方とそれぞれのポジションを知りたかったからであるが、さまざまな章にちらばっているので、読みながらほしい情報を拾い集める感覚だ。

IT業界のプロジェクトは【要件定義→設計→開発→テスト→導入→運営管理】という順番で進むわけだけれど、企業の業務システム開発にあたって、この要件定義がちゃんとできないことがIT業界の大問題であると聞く。どんなITシステムがほしいのか、受注側がうまく聞き出さなければならないのだけれど、発注側が自分のほしいものをよくわかっていなかったり、途中で気が変わったりするから苦労が絶えないとか。ただ、それぞれについての詳細話は本書にはないから、ものたりない気持ちになる。本書をざっと読んで知りたいテーマを決めて、詳細を別の本で確かめるにはいい。