コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

2017-06-28から1日間の記事一覧

仕事休んでうつ地獄に行ってきた (丸岡いずみ著)

読みやすく一気に最後まで読んだ。 北海道文化放送からキャリアをスタートさせた著者は、キャスターとして全力疾走してきて、ある日「ポキンと折れた」。恐ろしいマイナス思考、食べられない、眠れない。だが故郷に戻り、薬を飲み始めたらしだいによくなった…

リスクは金なり (黒木亮著)

長く国際金融分野で仕事をし、現在は作家としてその分野での小説を書いている著者の味わい深いエッセイ集。 第二章「世界で仕事をするということ」の「サバイバル交渉術世界標準八ヶ条」が特にすばらしい。「交渉の八割がたは、自分にほかの選択肢があるかど…

逃避メシ (吉田戦車著)

エッセイを読みたくなって選んだ一冊。著者は漫画家で、普段は自宅以外に仕事場を持ってそこで執筆している。そこにはキッチンがあり、特に締め切り前になると"逃避メシ"を作りたくなるそうだ。 もちろん時間なんてない、だがそのない時間を原稿ではなくメシ…

人が壊れてゆく職場-自分を守るために何が必要か- (笹山尚人著)

この本は弁護士として活躍している著者が、労働事件の実例を取りあげながら、労働法の定める権利について紹介する一冊。 読んだあとの感想は一言でいうと「日本は契約社会にはほど遠いな」だった。 契約上、労働条件は労働契約、就業規則などに明文化される…

字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ (太田直子著)

私は字幕派だ。俳優の言葉は分からなくても、声のトーンや速さでなんとなく感情はつかめる。なにより声に「その人」らしさが出る。吹き替え版は、俳優と声質が合っていない声優があてられると気になってしまう。40代の落ち着いた俳優が、細く頼りない声で吹…

肖像画で読み解く イギリス王室の物語 (君塚直隆著)

今日読んだのはイギリスの国立肖像画美術館に収められた肖像画と、描かれた人物それぞれの数奇なる人生について書いた本。王室に生まれ落ちた人々は多かれ少なかれ波瀾万丈な人生を歩んでいると思うけれど、その中で何人かの人生をぎゅっと凝縮して紹介して…