コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

忘れ去られたアメリカ『ヒルビリー・エレジー』

Hillbilly Elegy: A Memoir of a Family and Culture in Crisis 作者: J. D. Vance 出版社/メーカー: William Collins 発売日: 2016/08/06 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち 作…

金もうけこそこの世の正義『虚栄の黒船-小説エンロン』

エンロン。アメリカのエネルギー会社であり、2001年に当時最大の簿外債務隠蔽が明るみに出て倒産したことで、コーポレートガバナンスで必ず話題に出るようになった会社。この会社で起こったことを、十数年間の国際金融経験があり、のちに小説家に転身した著…

起業家必読『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全』

最近話題にする機会があったのだが、組織人の行動は、システムによって大きく変わる。 たとえば大学教授の評価方法に論文投稿数を取り入れれば、大学教授は一論文あたりの内容を薄くしてでも投稿数を増やそうとし、結果、論文の質が下がるだろう。博士課程修…

大手企業のリストラを実況中継『リストラなう!』

2010年3月上旬、某大手出版社が「早期退職優遇措置」(いわゆるリストラ)を発表した。そんな中早々に退職を決めた「たぬきち」が、退職まてまの2ヶ月をブログで実況してゆく。それをまとめたのが本書だ。 主人公(?)のブロガー「たぬきち」は45歳、男、営…

産業革命を正しい方向に向かわせるための悪戦苦闘『Shaping the Fourth Industrial Revolution』

Shaping the Fourth Industrial Revolution 作者: Klaus Schwab,Nicholas Davis,Satya Nadella 出版社/メーカー: World Economic Forum 発売日: 2018/01/11 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 人工知能が人間社会をどう変えるか、さまざ…

庶民階級の美しさ『印象派で「近代」を読む』

「怖い絵」シリーズの著者が、絵画を軸に近代史を紹介する本。テーマがちがうため「怖い絵」シリーズのような意外性や物語性があるわけではないが、近代史の軽い読み物にはぴったり。 かつて絵画は王侯貴族のためのものであり、神話や聖書物語や教養がふんだ…