コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

おすすめ

<英語読書チャレンジ 75 / 365> 【おすすめ】 P. Phillipa “The Book You Wish Your Parents Had Read”

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低50頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2027年10月。20,000単語以上(現地大卒程度)の語彙獲得と文章力獲得をめざします。この本はサブタイトルの通りマジで…

<英語読書チャレンジ 73 / 365> 【おすすめ】説明不要のSF傑作《プロジェクト・ヘイル・メアリー》

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低50頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2027年10月。20,000単語以上(現地大卒程度)の語彙獲得と文章力獲得をめざします。 映画《火星の人》の原作者アンデ…

【おすすめ】自己啓発書の手引きはこれ一冊〜アナ・カタリーナ・シャフナー『自己啓発の教科書』

2024年、新年1冊目の読書はこれ。 自己啓発の教科書 禁欲主義からアドラー、引き寄せの法則まで 作者:アナ・カタリーナ・シャフナー 日経ナショナル ジオグラフィック Amazon なぜこの本を読むことにしたか なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか。…

【おすすめ】小川一水《天冥の標》シリーズ

SFはあまり読まないのだけれど、ブログ「基本読書」の中の人が全身全霊でおすすめしていたから興味をもち、《天冥の標》シリーズを読んでみた。 生まれてきたこと、この本に出会うに至る人生の軌跡、その全てに感謝を捧げるレベルの傑作──《天冥の標》 - 基…

【おすすめ】一流企業による市場寡占の武器〜原田節雄『世界市場を制覇する国際標準化戦略』

こういう言葉がある。金をもうけたければゲームのルールを遵守せよ、さらにもうけたければルールを破壊せよ、誰よりももうけたければルールを創造せよ。 本書でいう〈技術標準〉はまさにゲームルールであり、ゲームマスターになるための熾烈な戦が日々行われ…

【おすすめ】心霊現象調査所へようこそ〜小野不由美『ゴーストハント』シリーズ

ファンといいながら小野不由美主上の原点たる〈ゴーストハント〉シリーズが未読であったため、一気読み。 現在入手可能なのはリライト版で、オリジナルは1990年代に出版された講談社X文庫ティーンズハート版だけれど、現在は絶版。続編にあたる『悪霊の棲む…

【おすすめ】ウクライナ紛争の今こそ読む〜スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ《戦争は女の顔をしていない》

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫) 作者:スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ 岩波書店 Amazon なぜこの本を読むことにしたか なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか。 ①世界の見方を根底からひっくり返す書物、 ②世界の見方の解像度をあげる…

【おすすめ】新米獣医のあたふた奮闘記〜J. Herriot “All Creatures Great and Small”

All Creatures Great and Small (English Edition) 作者:Herriot, James Open Road Media Amazon ヘリオット先生奮戦記 上 (ハヤカワ文庫 NF 76) 作者:ジェームズ・ヘリオット 早川書房 Amazon ヘリオット先生奮戦記 下 (ハヤカワ文庫 NF 77) 作者:ジェーム…

【おすすめ】むきだしの人間の弱さ〜葉真中顕『灼熱』

灼熱 作者:葉真中 顕 新潮社 Amazon いつのことだか、世界情勢についてあれこれ雑談しているとき、ふと思い立ったことを口にした。 ーー核保有国同士では戦争は起こらない。少なくとも核戦争は絶対起こらない。なぜなら核兵器の恐ろしさを知っているから。そ…

【おすすめ】バリュー投資家の必読書〜ベンジャミン・グレアム《証券分析》

証券分析 作者:ベンジャミン・グレアム,デビッド・L・ドッド パンローリング株式会社 Amazon なぜこの本を読むことにしたか なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか。 ①世界の見方を根底からひっくり返す書物、 ②世界の見方の解像度をあげる書物、 ③…

【おすすめ】これから経済独立をめざしたい人のための投資入門書〜バートン・マルキール《ウォール街のランダム・ウォーカー》

ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理 (日本経済新聞出版) 作者:バートン・マルキール 日経BP Amazon なぜこの本を読むことにしたか なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか。 ①世界の見方を根底からひっくり返す書物…

【おすすめ】リアルな英国医療現場をさらけ出す傑作ノンフィクション〜A. Key “This is Going to Hurt”

This is Going to Hurt: Secret Diaries of a Junior Doctor (English Edition) 作者:Kay, Adam Picador Amazon すこし痛みますよ 作者:アダム・ケイ,佐藤由樹子 羊土社 Amazon なぜこの本を読むことにしたか なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか…

【おすすめ】責任主体たり、問題解決者たれ〜読書猿《問題解決大全》

問題解決大全 作者:読書猿 フォレスト出版 Amazon なぜこの本を読むことにしたか 《独学大全》の項で、学ぶのはなぜ自分自身が生きづらいのか知るためだと書いたが、まさにそれにうってつけのお道具箱が《問題解決大全》。これもそこそこ分厚い鈍器本だが、…

【おすすめ】みずからの足で立つために~読書猿《独学大全》

インターネットの知の巨人、読書猿さんが書いた3冊の本《独学大全》《問題解決大全》《アイデア大全》を一気読み。このうち《アイデア大全》は一度読んだことがあるが、この機会に再読。 【おすすめ】『アイデア大全』(読書猿著)を読んだ - コーヒータイム …

【おすすめ】2008年金融危機、なぜリーマンは救済されなかったか〜A.S.Sorkin “ Too Big to Fail”

なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか。 ①世界の見方を根底からひっくり返す書物、 ②世界の見方の解像度をあげる書物、 ③好きだから読む書物 この本は②。米ニューヨーク・タイムズで金融と企業合併を専門とする敏腕記者が、約500時間のインタビュー…

【おすすめ】香港社会を理解するためのベストノンフィクション〜星野博美『転がる香港に苔は生えない』

転がる香港に苔は生えない (文春文庫) 作者:星野博美 文藝春秋 Amazon 1997年7月1日、香港は99年間の植民地支配を終え、中国に返還された。この本は、香港返還前後の2年間を香港の庶民にまじって暮らし、香港に生きる「香港ではごく普通の」人々の日常、仕…

【おすすめ】民族紛争の地に送られた無知な子供たち〜プリスターフキン《コーカサスの金色の雲》

コーカサスの金色の雲 (現代のロシア文学) 作者:アナトーリイ・イグナーチエヴィチ プリスターフキン メディア: 単行本 「1980年、みずからの体験をもとに書き上げたこの作品はソ連ではタブーとされたチェチェン民族の強制移住にふれたため発表を許されなか…

【おすすめ】全身全霊でおすすめする半自伝小説〜G.D.ロバーツ《シャンタラム》

シャンタラム(上) (新潮文庫) 作者:グレゴリー・デイヴィッド ロバーツ 発売日: 2011/10/28 メディア: 文庫 シャンタラム(中) (新潮文庫) 作者:グレゴリー・デイヴィッド ロバーツ 発売日: 2011/10/28 メディア: 文庫 シャンタラム(下) (新潮文庫) 作者:グ…

【おすすめ】読まずに死ねない〜ドストエフスキー《カラマーゾフの兄弟》

なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか。 ①世界の見方を根底からひっくり返す書物、 ②世界の見方の解像度をあげる書物、 ③好きだから読む書物 この本は③…と言いたいところだが、①②についても期待している。東大教師が新入生に薦める100冊では堂々一…

【おすすめ】ひとはいつでも合理的、ではない〜ダニエル・カーネマン《ファスト&スロー》

そろそろ人生も中盤戦にさしかかってきたところで、本を読むということを考えなおしてみた。読みたい本がたくさんある。優先順位をつけなければ、読むべき本を後回しにしてしまうかもしれない。それでは余りにもったいない。 だから、 ①世界の見方を根底から…

【おすすめ】アガサ・クリスティ版毒母〜《Absent in the Spring(春にして君を離れ)》

Absent in the Spring 作者:Christie, Agatha 発売日: 2017/06/15 メディア: ペーパーバック 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー 発売日: 2004/04/16 メディア: 文庫 最近読んだ『毒母ですが、なにか』のイギリス…

【おすすめ】コンピュータサイエンス専攻必携の教科書〜パターソン&ヘネシー『コンピュータの構成と設計(第5版)』

コンピュータの構成と設計 第5版 上・下電子合本版 作者:デイビッド・A・パターソン 発売日: 2016/10/26 メディア: Kindle版 パタヘネの愛称で知られる、コンピュータサイエンス専攻必携教科書。非常にわかりやすく書いてあるため、想像力をフル回転させれば…

【おすすめ】社会生活のあらゆるものは「システム」の一部である〜C.クリアフィールド&A.ティルシック『巨大システム失敗の本質』

巨大システム 失敗の本質: 「組織の壊滅的失敗」を防ぐたった一つの方法 作者:クリス・クリアフィールド,アンドラーシュ・ティルシック 発売日: 2018/11/30 メディア: 単行本 必読。システムというものがコンピュータの中だけではなく、電力、ガス、上下水道…

【おすすめ】華やかに、挽歌として〜山本淳子『枕草子のたくらみ』

枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い (朝日選書) 作者:山本淳子 発売日: 2017/04/10 メディア: 単行本 私がこれで読んできた中でもっともわかりやすく、もっとも人間味にあふれ、もっとも平安時代の人々の考えに寄り添った解説書。『枕草子』…

【おすすめ】最後まで読むには勇気がいる〜トルストイ《イワン・イリイチの死》

尊敬するブログ「わたしの知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」でみつけて手に取った本。 人により猛毒「イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ」: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる イワン・イリイチの死/クロイツェル・…

【おすすめ】あなたが思うほど現実は悪くない〜ハンス・ロスリング《ファクトフルネス》

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド 発売日: 2019/01/11 メディア: 単行本 Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About…

【おすすめ】暴力によって格差が縮まるという不都合な真実〜ウォルター・シャイデル『暴力と不平等の人類史』

The Great Leveler: Violence and the History of Inequality from the Stone Age to the Twenty-First Century (The Princeton Economic History of the Western World) 作者:Scheidel, Walter 発売日: 2017/01/24 メディア: ハードカバー 暴力と不平等の人…

【おすすめ】歴史好き必読のスペースオペラ〜田中芳樹『銀河英雄伝説』

銀河英雄伝説全15巻BOXセット (創元SF文庫) 作者:田中芳樹 発売日: 2017/10/12 メディア: 文庫 【読む前と読んだあとで変わったこと】 専制政治と民主共和制度のそれぞれのメリット、デメリットについて深く考えるきっかけとなった。 現代社会であたりまえに…

【おすすめ】パフォーマンス評価をうまく使いこなせば改善につながるが、使い方を間違えると機能不全になる〜Jerry Z. Muller 『The Tyranny of Metrics』

The Tyranny of Metrics 作者:Muller, Jerry Z. 発売日: 2018/02/06 メディア: ハードカバー 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか? 作者:ジェリー・Z・ミュラー 発売日: 2019/04/27 メディア: 単行本 【読む前と読んだあとで変わったこと】 「測…

【おすすめ】一家に一冊、育児の百科事典『育児の百科』

定本 育児の百科〈上〉5カ月まで (岩波文庫) 作者:松田 道雄 発売日: 2007/12/14 メディア: 文庫 定本 育児の百科〈中〉5ヵ月から1歳6ヵ月まで (岩波文庫) 作者:松田 道雄 発売日: 2008/01/16 メディア: 文庫 定本 育児の百科〈下〉1歳6カ月から (岩波文庫) …