コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

小説・エッセイ

<英語読書チャレンジ 73 / 365> 【おすすめ】説明不要のSF傑作《プロジェクト・ヘイル・メアリー》

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低50頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2027年10月。20,000単語以上(現地大卒程度)の語彙獲得と文章力獲得をめざします。 映画《火星の人》の原作者アンデ…

現代サラリーマンあるある!?〜フランツ・カフカ《城》

ノルウェー・ブック・クラブが選出した「世界最高の文学100冊」(原題:Bokkulubben World Library)の一冊。《審判》(または光文社古典新訳文庫によれば《訴訟》)と同じくフランツ・カフカの小説で、晩年に書かれた未完長編。 城―カフカ・コレクション (…

カフカの描く認知の歪み〜フランツ・カフカ《訴訟》

訴訟 (光文社古典新訳文庫) 作者:フランツ カフカ 光文社 Amazon ノルウェー・ブック・クラブが選出した「世界最高の文学100冊」(原題:Bokkulubben World Library)の一冊。フランツ・カフカの未完の中編小説。一般的には《審判》のタイトルで知られている…

[テーマ読書](未完 5 / 70)中国最高の現代小説70作品を読んでみた

2023年総集編。 2019年、中国政府が建国70周年を記念して、中華人民共和国最高の現代小説70作品を選出した。中国語を学ぶのによいし、政府がどのような価値観を推奨しているかを学ぶのにとてもよい。 目標は2030年までに全作読破。以下、選出された70タイト…

[テーマ読書](未完 34 / 100)世界最高の文学100冊を読んでみた

2023年総集編。 ノルウェー・ブック・クラブが選出した「世界最高の文学100冊」(原題:Bokkulubben World Library)というものがあることを知り、全作読んでみることにした。 https://www.bokklubben.no/SamboWeb/side.do?dokId=65500 目標は2030年までに全…

20世紀アラブ文学の最高傑作〜サーレフ《北へ遷りゆく時》

ノルウェー・ブック・クラブが選出した「世界最高の文学100冊」(原題:Bokkulubben World Library)の一冊。原題はSeason of Migration to the North。スーダン出身の作家サーレフの代表作で、20世紀アラブ文学の最高傑作ともいわれる。邦訳としては、河出…

弥次さん喜多さんならぬ北さん喜多さん〜宮部みゆきが本所深川を舞台に贈るシリーズ物『きたきた捕物帖』他

日本語で読むなら歴史小説が好き。 中国語で読むなら社会派小説や企業小説が好き。 英語で読むならミステリーやファンタジーやSF。 差を生むのは予備知識の量である。小説は気軽に読みたいのにいちいち「当然のように名前が出てきたけど誰これ?」「誰と誰が…

日常の中にひそむ非日常〜宮部みゆき『ぼんぼん彩句』

宮部みゆきさんは『模倣犯』を読んで以来のファン。ご本人は「よく知らないものは書けない」と話しているらしいけれど、芸能人とか政治家とかはそれほど書かない一方、ふつうの人々のふつうの日常にひそむものを抉り出すのが戦慄するほど上手い。以前読んだ…

ローマ帝国建国神話〜ウェルギリウス《アエネーイス》

アエネーイス 上 (岩波文庫) 作者:ウェルギリウス 岩波書店 Amazon アエネーイス 下 (岩波文庫) 作者:ウェルギリウス 岩波書店 Amazon ノルウェー・ブック・クラブが選出した「世界最高の文学100冊」(原題:Bokkulubben World Library)の一冊。 https://ww…

<英語読書チャレンジ 66 / 365> S. King “IT” (邦題《IT》)

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低50頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2027年10月。20,000単語以上(現地大卒程度)の語彙獲得と文章力獲得をめざします。もはや説明不要の恐怖小説の帝王ス…

古色蒼然としたものたちに息づくモノたち〜小野不由美『営繕かるかや怪異譚』シリーズ

営繕かるかや怪異譚 (角川文庫) 作者:小野 不由美 KADOKAWA Amazon 営繕かるかや怪異譚 その弐 (角川文庫) 作者:小野 不由美 KADOKAWA Amazon 死んだ叔母から受け継いだ築年数も定かでないほど古い町屋、その奥庭に面するあかずの間の襖は、何度閉めてもいつ…

[テーマ読書]読まずに死んだらもったいない小説

いろいろ大変な世のなかで、日々ニュースに接していると暗い気持ちになりがちだから、たまにはなにもかも忘れて小説をどっぷり楽しみたい。そういうときにピッタリの小説たちを10作紹介。 まじめな感想は個別記事に書いているので、このまとめでは、私から見…

【おすすめ】小川一水《天冥の標》シリーズ

SFはあまり読まないのだけれど、ブログ「基本読書」の中の人が全身全霊でおすすめしていたから興味をもち、《天冥の標》シリーズを読んでみた。 生まれてきたこと、この本に出会うに至る人生の軌跡、その全てに感謝を捧げるレベルの傑作──《天冥の標》 - 基…

<英語読書チャレンジ 45 / 365> D. Simmons “Hyperion”(邦題《ハイペリオン》)

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低100頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2027年10月。 本書は超有名古典SFにして「徹夜本」といわれる傑作。英語版で少しずつ読み進めた。 Hyperion (Hyperio…

<英語読書チャレンジ 44 / 365> G.Eliot “Middlemarch”(邦題《ミドルマーチ》)

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低100頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2027年10月。本書はノルウェー・ブック・クラブが選出した「世界最高の文学100冊」(原題:Bokkulubben World Librar…

[テーマ読書](未完 5 / 70)中国最高の現代小説70作品を読んでみた

2022年総集編。 2019年、中国政府が建国70周年を記念して、中華人民共和国最高の現代小説70作品を選出した。中国語を学ぶのによいし、政府がどのような価値観を推奨しているかを学ぶのにとてもよい。 目標は2030年までに全作読破。以下、選出された70タイト…

[テーマ読書](未完 29 / 100)世界最高の文学100冊を読んでみた

2022年総集編。 ノルウェー・ブック・クラブが選出した「世界最高の文学100冊」(原題:Bokkulubben World Library)というものがあることを知り、全作読んでみることにした。 Library of World Literature » Bokklubben 目標は2030年までに全作読破。英語原…

<英語読書チャレンジ 35 / 365> P. Saniee “The Book of Fate”(邦題《幸せの残像》)

英語の本365冊読破にチャレンジ。ページ数は最低100頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。本書はイランの女流作家によるベストセラー。邦訳タイトルは《幸せの残像》であるが、英語版原題は "The Book o…

<英語読書チャレンジ 23 / 365> P.G. Woodhouse “The Inimitable Jeeves”(邦題《比類なきジーヴス》)

英語の本365冊読破にチャレンジ。ページ数は最低100頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。本書はイギリスで大人気のコメディシリーズ《ジーヴスシリーズ》。邦訳タイトルは『比類なきジーヴス』で、原著…

<英語読書チャレンジ 16 / 365> A.Christie “The Murder of Roger Ackroyd”(邦題《アクロイド殺し》)

思いつきで英語の本365冊読破にチャレンジ。ページ数100以上、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。本書はミステリーの女王アガサ・クリスティーによる名探偵エルキュール・ポアロシリーズ《アクロイド殺し》。…

<英語読書チャレンジ 15 / 365> A. Christie “The Mysterious Affair at Styles”(邦題《スタイルズ荘の怪事件》)

思いつきで英語の本365冊読破にチャレンジ。ページ数100以上、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。本書はミステリーの女王アガサ・クリスティーの初の長編作品にして、名探偵エルキュール・ポアロシリーズの第…

<英語読書チャレンジ 14 / 365> C.S.Lewis “Prince Caspian, The Return to Narnia”(邦題《ナルニア国物語2 カスピアン王子の角笛》)

思いつきで英語の本365冊読破にチャレンジ。ページ数100以上、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。本書は映画化された大人気ファンタジーシリーズ《ナルニア国物語》の第2作《カスピアン王子の角笛》。子ども…

<英語読書チャレンジ 13 / 365> C.S.Lewis “The Lion, the Witch and the Wardrobe”(邦題《ナルニア国物語1 ライオンと魔女》)

思いつきで英語の本365冊読破にチャレンジ。ページ数100以上、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。本書は映画化された大人気ファンタジーシリーズ《ナルニア国物語》の第1作《ライオンと魔女》。子ども向けで…

<英語読書チャレンジ 10 / 365> J.R.R.Tolkien “The Silmarillion”(邦題《シルマリルの物語》)

思いつきで英語の本365冊読破にチャレンジ。ページ数100以上、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。 本書はもはや説明不要のファンタジーの金字塔『ホビットの冒険』『指輪物語』のいわば前日譚にあたる『シル…

<英語読書チャレンジ 5/100> Glendy Vanderah “Where the Forest Meets the Stars”

思いつきで英語の本100冊読破にチャレンジ。ページ数100以上、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2023年3月末まで。 Where the Forest Meets the Stars (English Edition) 作者:Vanderah, Glendy Lake Union Publishing Amaz…

<英語読書チャレンジ 4/100> Karen McQuestion “The Moonlight Child”

思いつきで英語の本100冊読破にチャレンジ。ページ数100以上、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2023年3月末まで。 The Moonlight Child (English Edition) 作者:McQuestion, Karen NIGHTSKY PRESS Amazon Karen McQuestion…

<英語読書チャレンジ 3/100> Charles Dickens “Great Expectations”(邦題《大いなる遺産》)

思いつきで英語の本100冊読破にチャレンジ。ページ数100以上、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2023年3月末まで。 本書はノルウェー・ブック・クラブが選出した「世界最高の文学100冊」(原題:Bokkulubben World Library…

英国発ドタバタラブコメディで笑いころげる〜ヘレン・フィールディング『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ

シリーズ全3冊。ロンドンに住む "ごくふつうの" 独身女性ブリジット・ジョーンズとその家族友人たちのドタバタラブ・コメディ。 イギリスのコメディは軽快なタッチでブラックなお題目を笑いとばすのが得意。本作も女性のキャリア、フェミニズム、職場恋愛、…

病めるときはそばにいたのに、健やかなるときはそばにいられなくなる〜周大新《湖光山色》

2019年、中国政府が建国70周年を記念して、中華人民共和国最高の現代小説70作品を選出した。中国語を学ぶのによいし、政府がどのような価値観を推奨しているかを学ぶのにとてもよい。 この本はそのうちの1冊。未邦訳。 舞台は山地にかこまれた風光明媚な湖…

世紀末、中国長江沿いのある都市でのものがたり〜周梅森《中国製造》

2019年、中国政府が建国70周年を記念して、中華人民共和国最高の現代小説70作品を選出した。中国語を学ぶのによいし、政府がどのような価値観を推奨しているかを学ぶのにとてもよい。 この本はそのうちの1冊。未邦訳。 1998年6月23日。主人公の高長河(ガオ…