小説・エッセイ
シャンタラム(上) (新潮文庫) 作者:グレゴリー・デイヴィッド ロバーツ 発売日: 2011/10/28 メディア: 文庫 シャンタラム(中) (新潮文庫) 作者:グレゴリー・デイヴィッド ロバーツ 発売日: 2011/10/28 メディア: 文庫 シャンタラム(下) (新潮文庫) 作者:グ…
本書も米原万里さん『打ちのめされるようなすごい本』で紹介されたもの。絶賛されているので読んでみた。 小説自体はとても面白い。中村医師が『アフガニスタンの診療所から』で、アフガニスタンの内情について、古くからの部族法や慣習法に従うのがふつうで…
有川浩脚本集 もう一つのシアター! (メディアワークス文庫) 作者:有川 浩 発売日: 2011/05/25 メディア: 文庫 シアター! (メディアワークス文庫) 作者:有川 浩 発売日: 2009/12/16 メディア: 文庫 シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫) 作者:有川 浩 発売…
なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか。 ①世界の見方を根底からひっくり返す書物、 ②世界の見方の解像度をあげる書物、 ③好きだから読む書物 この本は③…と言いたいところだが、①②についても期待している。東大教師が新入生に薦める100冊では堂々一…
三体 作者:劉 慈欣 発売日: 2019/07/04 メディア: Kindle版 三体Ⅱ 黒暗森林(上) 作者:劉 慈欣 発売日: 2020/06/18 メディア: Kindle版 三体Ⅱ 黒暗森林(下) 作者:劉 慈欣 発売日: 2020/06/18 メディア: Kindle版 わたしはめったにSFを読まないが、この話…
Absent in the Spring 作者:Christie, Agatha 発売日: 2017/06/15 メディア: ペーパーバック 春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー 発売日: 2004/04/16 メディア: 文庫 最近読んだ『毒母ですが、なにか』のイギリス…
八咫烏シリーズの新刊が出ると知り、すぐに買おうかどうか迷ったけれど、結局買い、一気に読みきった。 本書は大人気和風ファンタジー〈八咫烏シリーズ〉の第二部第1巻。八咫烏とは人の姿形と鳥形を取ることができる〈神の御使〉。人間世界と幾つかの門で繋…
最後の一文まで読んで思ったこと。 「『アラビアの夜の種族』『82年生まれ、キム・ジヨン』より前に読めばよかった……」 小説のプロローグは1972年8月26日。 男女の双子を産み落とした直後、主人公のりつ子がもらしたモノローグは、小説のタイトル『毒母です…
旅先でのごはんは、海外・国内問わず旅行の楽しみのひとつで、美味しいものをつづったエッセイを読むとそれだけで現地までとんで行きたくなるけれど、本書はまさにそれ。 お菓子好きのわたしとしては、本書に登場するハルヴァを食べてみたくてしかたがない。…
フミコフミオ氏は有名なブロガーだというけれど、私は彼のブログを読んだことがない。この本を手にとったのをきっかけに読んでみた。うーん、今年入社したとある後輩のブログとどことなく雰囲気が似通っている。後輩くんも20年後にはこういうブログを書いて…
私が初めて『源氏物語』にふれたのは、記憶もおぼろげなむかしのこと、おそらく小学校低学年頃。たまたま手にとった本にあった、よくわからない言葉(おそらく古文原文)につづく一節。古文にふれたのもこの時が最初だった。当時は「なにこれ呪文?日本語?…
フラナリー・オコナー全短篇〈上〉 (ちくま文庫) 作者:フラナリー オコナー 発売日: 2009/03/10 メディア: 文庫 フラナリー・オコナー全短篇〈下〉 (ちくま文庫) 作者:フラナリー オコナー 発売日: 2009/04/08 メディア: 文庫 尊敬するブログ「わたしの知ら…
枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い (朝日選書) 作者:山本淳子 発売日: 2017/04/10 メディア: 単行本 私がこれで読んできた中でもっともわかりやすく、もっとも人間味にあふれ、もっとも平安時代の人々の考えに寄り添った解説書。『枕草子』…
尊敬するブログ「わたしの知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」でみつけて手に取った本。 人により猛毒「イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ」: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる イワン・イリイチの死/クロイツェル・…
銀河英雄伝説全15巻BOXセット (創元SF文庫) 作者:田中芳樹 発売日: 2017/10/12 メディア: 文庫 【読む前と読んだあとで変わったこと】 専制政治と民主共和制度のそれぞれのメリット、デメリットについて深く考えるきっかけとなった。 現代社会であたりまえに…
田辺聖子さんの名前を知ったのは、しばらく前に源氏物語「若紫」帖の定家本がみつかったというニュースが駆け巡ったとき。Twitter上で古典愛好者が大盛りあがりをみせ、定家本発見がいかにすごいことか力説する中で、誰かが田辺聖子の名前を出し、古典入門書…
韓国社会で一大ベストセラーになったこの小説を遅ればせながら読んでみた感想。 「これ、女性読者には心臓を日本刀でぶっ刺されたような衝撃を与えそうだけど、男性読者には響くんだろうか」 ストーリーは至極単純だ。主人公キム・ジヨンは夫と1歳になる娘…
どこまでがフィクションですか? ーーと、真っ先に原作者の有川ひろさんに聞きたい。是非聞きたい。 内容としては、大ヒットした映画『カメラを止めるな!』に似ている。映像制作会社に勤める主人公とまわりのスタッフが経験するさまざまな撮影現場を通して…
『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の著者のエッセイ集。ロシア語通訳として政府高官やメディア取材に同行することがよくある著者ならではの視点から、日本との文化的違いが浮き彫りになるワンシーンを切り取った文章が多い。とくに著者の本業である通訳にか…
ノーベル文学賞を受賞したことで、日本で一躍脚光を浴びたカズオ・イシグロ氏の代表作。 一読してみたところ、日本でいう王朝平安文学のイメージに近い。優美な衣装を身にまとい、雅なあそびに興じる貴族たちに仕える使用人が、筆をふるい、華やかな日々を思…
向田邦子さんのエッセイ集、第二弾。 『父の詫び状』は家庭事情が多かったが、このエッセイ集は、向田邦子さんが仕事をするようになってからのちょっとしたできごとを書いているものが多い。「昔はこうだったけれど、今はこうなった」系の話もちょくちょく出…
初めて読んだ向田邦子さんの文章は「字のないはがき」というエッセイで、国語の教科書に載っていた。戦時中、集団疎開で東京を離れることになった、字が書けない妹に、父が自宅住所記入済みの葉書の束を渡して「元気なら、この葉書の裏に丸を書いて、一日一…
林真理子さんの『下流の宴』は、私にとって、時々読み返したくてたまらなくなる小説である。 とてもわかりやすい文章で、読んでいるとまるでドラマのようにワンシーンが思い浮かんでくる(実際にドラマ化もされている)。だけど、一皮まくると、「どろりとし…
白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/10/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 20…
中国の小説は、ビジネス小説と公務員小説が人気ジャンルになっているが、この本は公務員小説の草分け的存在であり「公務員を目指すなら必ず読め」と言われている名作。シリーズは何冊も刊行されており、登場人物304名、84件の内部闘争、66の公務員期間、23回…
黒祠の島 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2007/06/28 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 268回 この商品を含むブログ (34件) を見る 一度めに読み終わったあと、消化不良感が残り、もう一度最初から読んだ。 「信頼できない…
大人気の八咫烏シリーズの番外編。本編ではほとんどの作品が武人の雪哉と若宮を主人公としているため、どうしても男中心の物語になる。けれど本編ではあまり語られない女達にもそれぞれの物語があり、生き方があり、甘い恋や苦い恋がある。今作はそれらを集…
仮出所中の強盗殺人犯に娘・愛美を殺された小夜子が、死刑廃止論に断固反対するライターとなり、数年後、彼女自身が、ある殺人事件の被害者になった。いったいなにがあったのか、事件後に離婚した元夫・中原が、亡き小夜子の最後の足取りをたどっていく。そ…
県庁観光振興部おもてなし課。高知県庁に実在する課である。 この小説は、おもてなし課に所属する主人公・掛水和貴と、掛水の誘いでおもてなし課に加わることになった明神多紀の淡い恋愛を中心に、おもてなし課が高知県観光を盛り上げようと悪戦苦闘する物語…
大聖堂 (上) (ソフトバンク文庫) 作者: ケン・フォレット,矢野浩三郎 出版社/メーカー: ソフトバンク クリエイティブ 発売日: 2005/12/17 メディア: 文庫 購入: 26人 クリック: 721回 この商品を含むブログ (114件) を見る 大聖堂 (中) (ソフトバンク文庫) …