コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

歴史・現代社会

『状況認識力UPがあなたを守る -元CIA捜査官が実践するトラブル回避術』(ジェイソン・ハンソン著)

状況認識力UPがあなたを守る (フェニックスシリーズ) 作者: ジェイソン・ハンソン,Jason Hanson 出版社/メーカー: パンローリング株式会社 発売日: 2016/07/16 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る この本で教えるのはサバイバル・…

"Geopolitics of the Balkans and Beyond: What Do Russia, China, and United States Want?" by Filip Kovacevic

Geopolitics of the Balkans and Beyond: What Do Russia, China, and the United States Want? (English Edition) 作者: Filip Kovacevic 出版社/メーカー: Filip Kovacevic 発売日: 2015/11/08 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 洋書チャレ…

"Affairs of State: United States Grand Strategy and National Security" by Don Treichler

Affairs of State: United States Grand Strategy and National Security (English Edition) 作者: Don Treichler 発売日: 2017/09/20 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 英語学習も兼ねて、戦略論関連の洋書原文に手を出してみた。 著者による…

『悪の論理: 地政学とは何か』(倉前盛通著)を読んだ

悪の論理―ゲオポリティク(地政学)とは何か (Ohtemachi books) 作者: 倉前盛通 出版社/メーカー: 日本工業新聞社 発売日: 1977/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 大国同士の争いが日増しに激烈になり、その間にはさまれた小国が生きのびるすべ…

病いと癒しの人間史 - ペストからエボラウイルスまで (岡田晴恵著)

『銃・病原菌・鉄』では旧大陸から新大陸に持ちこまれた病原菌が新大陸の先住民を文字通り壊滅状態に追いこんだことが書かれているが、この本では旧大陸で人びとが病原菌へのある程度の耐性を獲得するまでに起こったことを主につづったエッセイがまとめられ…

『銃・病原菌・鉄(下)』(ジャレド・ダイアモンド著)

文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 作者: ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2012/02/02 メディア: 文庫 購入: 24人 クリック: 73回 この商品を含むブログ (107件) を見る どっしりとした…

『銃・病原菌・鉄(上)』(ジャレド・ダイアモンド著)

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 作者: ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2012/02/02 メディア: 文庫 購入: 27人 クリック: 421回 この商品を含むブログ (191件) を見る どっしりとした…

エンデュアランス - 史上最強のリーダー シャクルトンとその仲間はいかにして生還したか (アルフレッド・ランシング著)

エンデュアランス ──史上最強のリーダーシャクルトンとその仲間はいかにして生還したか (フェニックスシリーズ) 作者: アルフレッド・ランシング 出版社/メーカー: パンローリング株式会社 発売日: 2014/08/09 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を…

面と向かっては聞きにくいイスラム教徒への99の大疑問 (佐々木良昭著)

昨日は飲みすぎで帰宅後倒れこむように寝たため本を一冊読めなかった。反省。 イスラム教徒の知り合いがいる。中東ではなくインドネシアやバングラデシュ出身だから、戒律にはそこまで厳しくないし、異教徒への理解もあるが、豚肉やお酒類はもちろんダメ、日…

ニッポンの貧困 必要なのは「慈善」より「投資」 (中川雅之著)

この本は日経BP社から出ていることに大きな意味がある。貧困対策を進めるべき理由を、倫理や善意ではなく、できる限り経済合理性に求めようという試みがある。 例えばこんなケースを考えよう。ある人が20歳から65歳まで生活保護を受給した場合、政府が負担す…

ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室 (キャスリーン・フリン著)

子供の頃、なぜかレシピ本を眺めるのが好きだった。うちには4冊レシピ本があった。3冊はいわゆる基本のおかず、1冊は洋食だった。私はこの洋食レシピばかりめくり、他の3冊には目もくれなかった。うちの食卓に洋風料理が出ることは一切なかったので、マ…

中国絶望工場の若者たち (福島香織著)

中国が超格差社会であることはすでに広く知られているが、その中でも事実上の身分制度ともいうべき農民戸籍に属しながら、都会で生まれ育ち、あるいは高い教育を受け、つかみたい夢と現実の社会制度のあいだでもがいている層がある。それがこの本で取り上げ…

江戸の卵は1個400円!? モノの値段で知る江戸の暮らし (丸田勲著)

江戸時代の日常生活が身近に感じられる一冊。羅宇屋(煙管専門の修理屋)など今はもうあまり見られない商売から、鰻蒲焼売りなど今でもよく見る商売までなんでもござい。そんな中でも面白い値段がついていたものをいくつか。 米: 一升(約1.5 kg) 1200円-1800円…

マンガで食えない人の壁 (トキワ荘プロジェクト)

とても読み応えがあるプロ漫画家のインタビュー集。冒頭にこうある。 教育の難しいところは「教えられている側は身につくまで、教えられていることの重要性が分からない」ということです。…「先輩がそういうのだから、自分には分からない何かがあるのかもし…

欲望の美術史 (宮下規久朗著)

美術について新聞に連載されていたエッセイをまとめた一冊。美術を生み出すとき、求めるときのさまざまな欲望に光をあてている。西洋で静物画に食べものが多く見られるのは、食糧が乏しかった時代にそれを見て満足感を得るためでもあったとか、博覧会に落選…

美女たちの西洋美術史 肖像画は語る (木村泰司著)

日本にいると、キリスト教の影響力を感じるのはクリスマスくらいだけれど、西洋美術史はキリスト教抜きでは語れない。この本のテーマである肖像画もそうだ。人間は神より劣り、肉体は魂や精神よりも劣ると考えられているキリスト教において、個人の肖像は軽…

増補新版 芸能人はなぜ干されるのか? (星野陽平著)

芸能界そのものが根本的に独占禁止法違反なのではないかーー。 このような鮮烈な印象をもたらすテーマが本書の主題だ。 芸能界における事務所と所属タレントのパワーバランスがおそろしく不均衡だということはすでにある程度広く知られていると思う。SMAP、…

イラン -世界の火薬庫- (宮田律著)

アメリカとイランの険悪な外交関係はよく知られているが、その理由が私にはよく分からなかった。それに対して多少なりともヒントをくれると期待して選んだ一冊。 読んだあとの感想。…どっちもどっちじゃん。 第二次世界大戦中にソ連とイギリスの進駐により当…

バンコク・アウトロー (高田胤臣著)

バンコクには観光ツアーで行ったことがある。治安がよく、夜一人歩きしてもなんの問題もない。交通機関が発達しておりあまり足に困ることはない。食べものが美味しい。そんなありきたりな感想だった。ごくたまに物乞いの老婆が街角に座っていたり、宝くじ売…

チャイルド・プア 社会を蝕む子供たちの貧困 (新井直之著)

とても難しいテーマだと思う。貧困で思い出すのは、テレビ取材を受けたあとSNSから1000円のランチを食べたことがわかったり、部屋にキャラグッズがあったりしたことからバッシングを受けた女子高生のことや、芸能人の母親が生活保護を受けていると報道され、…

人が壊れてゆく職場-自分を守るために何が必要か- (笹山尚人著)

この本は弁護士として活躍している著者が、労働事件の実例を取りあげながら、労働法の定める権利について紹介する一冊。 読んだあとの感想は一言でいうと「日本は契約社会にはほど遠いな」だった。 契約上、労働条件は労働契約、就業規則などに明文化される…

肖像画で読み解く イギリス王室の物語 (君塚直隆著)

今日読んだのはイギリスの国立肖像画美術館に収められた肖像画と、描かれた人物それぞれの数奇なる人生について書いた本。王室に生まれ落ちた人々は多かれ少なかれ波瀾万丈な人生を歩んでいると思うけれど、その中で何人かの人生をぎゅっと凝縮して紹介して…