江戸時代の日常生活が身近に感じられる一冊。羅宇屋(煙管専門の修理屋)など今はもうあまり見られない商売から、鰻蒲焼売りなど今でもよく見る商売までなんでもござい。そんな中でも面白い値段がついていたものをいくつか。
米: 一升(約1.5 kg) 1200円-1800円
言わずと知れた主食。今はスーパーで10キロ3000円、一升に換算すれば450円くらいだが、江戸時代当時は一升1200円-1800円、天明の大飢饉の時などは一升6000円-8000円まで高騰したという。これでは白いめしを腹一杯など夢のまた夢だ。
鰻の蒲焼: 一串320円
これなら毎日食べられそう。
住居:月8000-12000円
裏長屋にある1Kの部屋が8000-12000円程度。驚くほど安い。今の時代にこんな家賃で借りれるのはよほどの古屋か事故物件か。ただし壁が薄いから夏は暑く冬は寒く、プライバシーはないも同然。
傘: 蛇の目傘12000円-16000円、番傘4000円-6000円
あっけにとられる値段。童謡「あめふり」で「かあさんが じゃのめでおむかえ うれしいな」という歌詞があるが、江戸時代ではとても無理。
芝居見物: 2600円(土間)-70000円(桟敷)
歌舞伎にあたる芝居見物は庶民席なら意外とリーズナブルだが、かなりの大混雑で漬物並みにぎゅう詰めにされたとか。ちなみに喫煙可能で、ライターなどはないから、火縄番に400円払って煙草セットを買い、火をつけてもらった。