コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室 (キャスリーン・フリン著)

子供の頃、なぜかレシピ本を眺めるのが好きだった。うちには4冊レシピ本があった。3冊はいわゆる基本のおかず、1冊は洋食だった。私はこの洋食レシピばかりめくり、他の3冊には目もくれなかった。うちの食卓に洋風料理が出ることは一切なかったので、マヨネーズ、チーズ、チキンスープとはどんなものだろうと想像を膨らませた。

そのおかげでか、料理は決して得意ではないが、レシピを読み、鮮度の良い食材をそろえ、レシピの写真にぱっと見似ている、まあまあ食べられるものに仕上げる程度の料理力はある。

ところがこの本で取り上げられている女性たちは、レシピを読むどころか(読む人もいるが)、普段包丁を持つことすらめったにない。では彼女たちの食卓に何がのぼるかというと、缶スープ、瓶詰めソース、パスタ、パン、冷凍食品、レンジでチンするだけのパック食品。彼女たちはそろって自分には調理する能力がないと思いこみ、自信喪失していた。

著者はそんな彼女たちのために料理クラスを開いた。まずは包丁の握り方。山盛りのズッキーニを材料に角切りの練習。これはズッキーニのパスタとなった。次に調味料のテイスティング。本物のスープと缶スープの味比べ。鶏肉の扱い方。女性たちはすぐさま気づいたーー自分は生鮮食材をうまく調理できる!

クラスが進むにつれて、彼女たちは料理ができるようになったことで起こった変化を語る。ありあわせでささっと料理したらボーイフレンドが驚いた。スーパーで生鮮食材について楽しい会話をした。こんなに簡単なことができなかったなんて信じられない。彼女たちは生き生きとして、自信を身につけていた。

 

ちょっと考えてみた。私自身はどうだろう?

料理はそこそこつくるが、魚料理にはほとんど手を出さない。なぜか魚料理は厄介だと思いこんでいるのだ。だがやってみると簡単かもしれない。まずはカレイの煮付けに挑戦しようか。