コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

大金持ちの教科書 (加谷珪一著)

前著『お金持ちの教科書』の応用編ともいうべき本書のメッセージは、「大きなお金を稼ぐには 、ビジネスから得られる利益の多くを獲得できる立場になる必要がある。具体的には経営者あるいは投資家となり、儲かる仕組みを自分で作ることができ、そこから得られる利益の多くを自分のものにできる立場になることが重要」ということだ。

会社が損をしていても従業員には給与を支払う義務があるので、会社経営者には、従業員の給与を低く抑えるインセンティブが働く。つまり、給与を得るだけでは会社があげる利益を自分のものにはできない。業績ボーナスといった仕組みはあるにせよ、それでも会社利益の一部でしかない。この辺りはベストセラー『金持ち父さん貧乏父さん』の考え方にも通じる。

経営者になるにしろ投資者になるにしろ、節約が重要だ。コストパフォーマンスと言ってもいいかもしれない。日々の生活の出費を減らすのではない。必要な稼ぎを得るための出費を最小限にすることを、お金持ちは 「節約」と呼ぶ。この発想はとても面白いと思う。

 

ここ数日、立場が異なれば見えているものも違うものだということを深く考える機会があった。

マネジメントがある判断をしたが、その内容は私には理解しがたかった。だが後に、マネジメントからすると非常に合理的な判断であったと分かった。

このことは私に、立場による判断の違いを深く考えさせた。それとともに、いつか同じ立場に立つことができたなら、私は今回彼がしたのと同じ判断をするだろうか、と疑問をもつきっかけにもなった。

 

お金持ちと一般人の違いもそこにあるのだろう。お金持ちは世の中の見方が違う。立場が異なれば判断も違うように、見方が異るからこそ気づけるお金持ちになるためのチャンスがある。著者はお金持ちの見方を前著『お金持ちの教科書』にまとめ、その見方を利用してお金持ちになるためのヒントを今著『大金持ちの教科書』にまとめた。合わせて読みたい二冊。