コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

世界文学の名言 (クリストファー・ベルトン著)

著者もふれているように、たいていの文学の名言はその文学物語のストーリーの中で理解されるべきであるけれど、その部分だけでも心に触れてくるものをいくつか書く。

 

Fear of  danger is ten thousand times more terrifying than danger itself. ーー危険への恐れは危険そのものより一万倍も恐ろしい。(ダニエル・デフォーロビンソン・クルーソー』)

原子力発電所などはその典型だと思うが、ものごとを正しく恐れることはとても難しい。そのものごとについての知識が必要になるからだ。人は未知のものを恐れるようにできていて、たいてい過大評価して過剰に恐れ、時にはそのために精神力を消耗してしまう。ロビンソン・クルーソーのように無人島に漂流した人間にとってこれは致命的だろう。

 

Really it is very wholesome exercise, this trying to make one’s words represent one’s thoughts, instead of merely looking to their effect on others. ーー自分の言葉が相手にどんな効果を及ぼすかということだけを気にするんじゃなくて、自分の考えを自分の言葉で表現しようとすることは、本当にすごくいい訓練になるよ。(エリザベス・ギャスケル『従妹フィリス 』)

この作品は読んだことがないが、この言葉だけでも味わい深い。芸能人でいうと春名風花ちゃんがツイッターで日々発信していることがまさにこの通りだと思う。

 

I am never afraid of what I know. ーーぼくは自分の知っているものなら恐れたことがありません。 (アンナ・シュウエル『黒馬物語 』)

この作品も知らないが、この言葉は深い。火を恐れ、それと闘う術を身につけるために消防士になった人の話を聞いたことがある。それがなんなのか知っていれば恐れずに済むかもしれない。少し前に読んだ『40連隊に戦闘技術の負けはない』ではないが、銃が安全かどうか判断できるようになって初めて、銃を扱う資格が生じるのだ。