2018年ワールドカップロシア大会で、ドイツのグループリーグ敗退が決まってからとたんに見る気が消え失せた。ブラジルが2014年大会の雪辱をかけてドイツとゲームプレイするのを期待していただけに残念。
そのドイツを震源地とするIndustrie4.0について。前回読んだIndustrie 4.0の本では実際のコンピュータシステムについてあまり詳しく触れていなかったので、参考になりそうな本をもう一冊読んでみた。
この本は応用できる最先端技術のさわりを紹介するもので、詳細は専門書にゆずっている。どちらかというとドラえもんのうたの「こんなこといいな できたらいいな」の世界に思えるが、今後が非常に楽しみである。
前回読んだ本と同じく、本書でもIndustrie4.0の目的を明快に言い切っている。
Industry 4.0 has the ability to transform data into information and information into knowledge so you can optimize the process of decision-making in business.
ーーインダストリー4.0には、データを情報に、情報を知識に転換する力がある。これにより、ビジネス上の意思決定プロセスを改善できる。
本書で紹介されている20のテクノロジーは、これを実現するためのサポート技術だ。プラットフォーム、ビッグデータ、人工知能、クラウドからサイバーセキュリティまで、最新技術を企業の取組み例とともに紹介している。
これらを組み合わせて作用させるのがIndustrie4.0の根幹だ。これまで人間の大脳だけでは処理しきれなかった膨大なデータを、コンピュータの力を借りて短時間で処理し、重要なものを取り出し、意思決定につなげる。あくまで最終決定権は人間にあるという点はとてもはっきりしている。
本書では情報処理技術だけではなく、情報をとってくるために必要不可欠なセンサーについても述べている。
たまたま昨日、久しぶりに大学の分析化学講義で学んだことを思い出した。いわく、分析結果は検出下限界に近づくほどゆらぎが大きくなって信頼性が下がる。たとえば5を測定したいのであれば、検出範囲が5-15のセンサーよりも、1-10のセンサーを使う方が良い。つまり、センサーを開発する側は、実際には希望値よりも低い値まで測定できるようにしなければならない。これがなかなかチャレンジングだ。
最後に、本書で引用されていた名言を紹介しよう。
"Never walk on the path traced, it will only lead you to where the others went." Alexander Graham Bell
ーーすでにある道をたどるな。だれか別の人間が行きたがったところにたどり着くだけだ。(アレクサンダー・グラハム・ベル)