昔の記録類を片付けていたら出てきた読書記録を見直していく。今回は男女関係の本が多めな気がする。
ダン・ガードナー『リスクにあなたは騙される 「恐怖」を操る論理』

- 作者: ダン・ガードナー,Dan Gardner,田淵健太
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/05/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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飛行機に乗る方が車より危険だと感じたことはないだろうか? 統計上の事故死亡率は真逆である。
人は理性のほかに太古から生存のために進化してきた「無意識」「腹」「感情」などと呼ばれるものがあり、この判断時間は短く、影響力は強いが、狩猟時代でなくなった今は、現代にそぐわない判断を下すことも多い。そのため人はリスク判断が難しいし、外部条件によって実際とはまったくちがう判断をすることもある。
衿野未矢『依存症の女たち』
衿野未矢は、女性のふるまいを同じ女性の立場から丁寧に拾い上げてエッセイに書いている。登場する女たちはごく普通に歩いていそうな女子ばかりで、一見変わっているようには見えない。だが、つきあってみると違いはすぐわかる。携帯をいじらずにはいられなかったり、いつもなにかを食べていたり…。
対象へののめりこみが悪影響を及ぼしているのに「せずにいられない」と追いつめられた気持ちになって、さらにのめりこむ。激しく後悔し、その後悔がさらに依存に追いやるという負のスパイラルを、まるで再現ドラマのようにはっきりイメージできる形で書いている。
衿野未矢『「さん」の女、「ちゃん」の女』
同じ著者による本をもう一冊。選ばれ女子、愛され女子の先駆けのような内容。
「さん」の女は、仕切りや段取り、責任を引き受け、うまくいかなかったら反省する。「ちゃん」の女は感覚的に行動してうまくまわりに動いてもらい、うまくいかなかったらすべて他人のせいにできる強さとたくましさがありながら、お金や愛情などに頼らないと生きていけないので、男性から「守ってあげたい」と思われて結婚も早い。結論からいうと「さん」の女は「ちゃん」の割合を増やすと、男性にとって気になる存在になれる。
白河桃子『結婚したくてもできない男 結婚できてもしない女』
男性が見たら憤慨しそうなタイトルだが、2000年代初めの自由恋愛時代をまじめに書いた本。
亀山早苗『渇望 女たちの終わらない旅』
この著者は不倫を男女両方の側から書いたルポルタージュを出しているが、この本は少し違う。更年期前後の女性たちのエピソードから、人生を振り返ったときに感じること、女として終わりに近づいていることに対する焦り、寂しさ、孤独感を描写している。自信がないから卑下し、それが女の心を哀しくねじ曲げていく。シングルの女性が母の介護をしながらふと「私が倒れても誰も見つけてくれない」と思う。タイトルは孤独に苛まれ、女としての幸せを渇望するという意味だ。
香山リカ『恋愛不安 大人になりきれない心が欲しがるもの』
どんな恋人がほしいかもわからないまま、恋をしていないと不安、恋さえすれば悩みは解決、という思いこみにはまる女性たちを容赦なく書き立てる本。恋愛に必要なのは、私は人を好きになっていいんだ、私は好きな人に自分の気持ちを伝えていいんだ、私は愛されていいんだ、と思うのに必要最低限な自己信頼感だと、著者は指摘する。
香山リカ『女は男のどこを見抜くべきか』
同じ著者による本がもう一冊。こちらは恋人の選び方。