コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

ブロガーの人生観『小さな野心を燃料にして、人生を最高傑作にする方法』

はあちゅうというブロガーがいることは聞いたことがあったけれど、彼女が書いたものを読むのはこれが初めてだ。最近彼女がAV男優と事実婚しているというネットニュースを見て、どんな女性なのか気になった。なにしろカメラの前でほかの女性を抱くのが仕事のAV男優である。一般的にはおそらく浮気に分類されることを仕事とするプロフェッショナルを伴侶に選ぶとは、並大抵の割り切り方ではない。いったいどんな性格と経歴の女性が、こういう風に割り切れるのだろう? 気になって著書を探した。

 

この本はライフスタイルコーディネーターである村上萌さんとの共著。あるタイトル、例えば「幸せには型があると思ってた」について、それぞれ一章ずつ自分の経験や考え方を書いていく珍しいスタイルだが、色分けされているうえに内容もちょうどキリよくなるようにしているから、混乱することはほとんどない。

子供時代、学生時代、試行錯誤の自分探し。タイトルには「方法」と入っているものの、自分がこれまでやってきたことを無理に方法論に落としこんだり一般化したりすることなく、「自分はこうしてきた」「色々試行錯誤したしうまくいかなかったこともたくさんあるけど、今こうして自分の生き方を仕事にしている」と、本を通して二人の女性がゆったりと語りかけてきている。中でも私がいいなと思ったのは、はあちゅうさんの「経験をリサイクルする」という考え方。

例えば、有名なレストランでごはんを食べた経験が一回あれば、そのレストランのことを書いてもいいし、一緒に行った人のことを書いてもいいし、ごはんのことを中心に書いてもいいんです。こうやって、ひとつの経験を何かにつなげられた時は、「私、すごい得した‼︎」と嬉しくなります。

 

はあちゅうさんの恋愛観はこの本にはほとんど書かれていなかったが、最後にこうある。

私の前での態度が私の望むものであれば、「世間にどう思われているか」はまったく気になりません。

事実婚のパートナーを選ぶにあたり、彼女はブレずに有言実行したのだ。凄い。