コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

金貸しによる金貸しのための金貸し方法手引き『ナニワ金融道』

久しぶりに漫画を。

最近世間を騒がせている地面師とはなんぞや? という疑問は、ナニワ金融道の1巻でさっそく解消された。本来の地主になりすまして土地を利用して利益を得ること(作中では土地を借金抵当に入れていた)を地面師と呼ぶ。作中では土地登録簿はすべて紙台帳だったから偽造しやすかったように思えるが、デジタル時代の今でもやろうと思えばできる、らしい。

積水ハウスから63億円をだまし取った「地面師」の恐るべき手口(伊藤 博敏) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)

 

この漫画はなんだか教育人形劇を見ているような気分にさせられる。登場人物の感情に深みがあまりなく、操り人形のごとく、金融事情を紹介するために動いているかのようだ。

金融事情を知るために読むと割り切れば、1990年代という古さながら、さまざまな金融裏事情を知ることができる。保証人、手形裏書、地面師、黒字倒産などなど。この漫画を読んだら保証人になどなる気がしないし、契約書は隅々まで読みたくなるし、わけがわからないものには死んでもサインしたくなくなること請けあいだ。