コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

<英語読書チャレンジ 49-51 / 365> Awesome Experiments for Kids シリーズ(2)

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低100頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2027年10月。

今回読んだのは子ども向け実験シリーズ。身近なものを利用して楽しみながらSTEAM (Science, Technology, Engineering, Art and Mathmatics) の基礎知識を学ぶことができるという、日本でいえばNHK教育でやりそうなわくわく科学実験である。英語表現はやさしく、イラストや写真がふんだんにあるので理解しやすい。小学生以下のお子さんがいるなら、夏休みの自由研究や図工制作にもってこい。

シリーズは全部で11冊出ている。そのうち3冊を紹介。

実験シリーズでも屈指の面白さ。実験紹介というよりほぼレシピ。発酵前後のパン生地の厚みを比べてみたり、手作りドレッシングのサラダオイルとヴィネガーが混じりあわないことを確認したり、火を通してすぐ氷水で冷やしたさやえんどうを煮込みっぱなしのさやえんどうと並べてみたり。美味しいお料理やお菓子作りのついでにちょこっとサイエンス。『銀の匙』『食戟のソーマ』などのリアル寄りの料理漫画を読んだことのある読者であれば、見覚えがあるものもでてくるから楽しい。

たとえばこんなことをやってみようーー

フードプロセッサにバナナと水を入れてスムージー状にする。別に、透明なシャンプーをティースプーン1杯、塩2摘み、水を4杯、泡立たないようにそうっとかきまぜたものを用意する。これに「バナナスムージー」をティースプーン3杯分入れてゆっくりかきまぜ、しばらく置く。コーヒーフィルターで混合物を濾して、ティースプーン1杯分の透明な液体を得られたら、これに消毒用イソプロピルアルコールをごくゆっくりと流し入れ、表面に層ができるようにする。少し待とう。白いものが浮いてくるのが見えるだろう。バナナのDNAだ。

 

いわゆる野外理科実験ガイド。著者はミネソタ州の学校教師で自身も子育てしており、生徒たちや子どもたちとアウトドアで観察し、実験し、楽しんだことを本にまとめている。「まずどうなるか予測してから始めましょう」という方針で、科学者がとる問題提起→仮説→実験→結果論証というアプローチをなぞらえている。
たとえばこんなことをやってみようーー

❶ Solar Still (太陽熱蒸留装置) 。地面に浅い穴を掘り、真ん中に蓋なしのプラスチック容器を固定し、まわりに落ち葉などを敷き詰め、水を注ぐ。穴全体をビニールで覆い、石などのおもりを置いて、プラスチック容器の真上でビニールがへこむようにする。2日ほど放置し、蒸発した水がボトル内に凝縮されているのを観察しよう。

❷ 夜空を見上げ、北斗七星 (Big Dipper) やカシオペア座 (constellation Cassiopeia) から北極星 (Polaris) を見つけ、東西南北の方向を決めてみよう。

❸ 石、まつぼっくり、木の実、小枝など、野外でみつけたものを水槽に入れて、浮き沈みを観察してみる。浮くか沈むかを予測してみたり、なぜそうなるのか考えてみる。(ちなみにまつぼっくりは水に濡れるとだんだん閉じるのでそれも観察してみよう)

 

Q: What’s the difference between a toaster and a Roomba?

A: Toasters burn your bread, but you have to burn a lot of bread to buy a Roomba! HEY-O!

(If you didn’t understand that joke, “to burn a lot of bread” means to spend a lot of money.)

Q. トースターとルンバロボットのちがいは?

A. トースターはパンを焼く。ルンバを買うにはたくさんパンを焼かないといけないよ!ひゃっほー!

(解説:英語の「たくさんパンを焼く: to burn a lot of bread」はお金がたくさんかかるという意味)

ロボットと機械のちがいとして、本書は「機械は同じタスクを延々繰返すだけのもの、ロボットはまわりの状況を察知して動作を変えることができるもの」としている。このように考えるなら、ロボットにとり最も重要なのは、温度・圧力・明るさ・ものの形状などを感知し、電気信号として出力できるセンサーである(たいていは人間の五感を模している)。

本書はこのシリーズの中では比較的難しいほうだと思う。乾電池と豆電球を組み立てた直流回路、交流回路、ネオジム磁石と銅線を使った単極電動機 (homopolar motor) など、まあ積木の電気部品バージョンだと思えばそれまでだけど、子どもだけでチャレンジするよりも親子でいろいろ試すのに向いている。