コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

仕事休んでうつ地獄に行ってきた (丸岡いずみ著)

読みやすく一気に最後まで読んだ。

北海道文化放送からキャリアをスタートさせた著者は、キャスターとして全力疾走してきて、ある日「ポキンと折れた」。恐ろしいマイナス思考、食べられない、眠れない。だが故郷に戻り、薬を飲み始めたらしだいによくなった。ものすごい勢いでここまでのことが語られる。著者が「地獄」と表現したうつ部分の記述は少ない。思い出せないのかもしれない。

この本に登場する人物の中で私が一番好きなのは、実は、著者が取材した引きこもりの少女だ。著者がうつ病になり、自分が傷だらけの中で取材を受けることがどれだけ大変だったかようやく気づき、遊びに来てもらった少女に謝った。彼女の返事は「分かってくれてうれしい。ありがとう」だった。彼女は北海道から徳島まで著者のために遊びに来てくれて、謝罪を受け入れてくれた、とても強い少女だ。