コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

[テーマ読書]旅行記エジプト〜トルコ〜中東

新型コロナやらなんやらのせいで1年半以上旅行に行っていないけれど、もともと旅行大好きです。世界中の国・地域を全部訪れるのが夢です。 いままで行ったことがあるところ。 中国、台湾、香港、マカオ、アメリカ、カナダ、ベトナム、カンボジア、タイ、シ…

[テーマ読書]わたしの好きな中国現代小説家

中国現代小説を読むのはワクワクする。日本でいう半沢直樹みたいな立身出世小説もあれば、林真理子あたりが書きそうなどろどろ家庭小説、不倫小説、若者たちのなやみをつづった青春小説など、ジャンルは日本とあまり変わらないけれど、90年代以降急激に発展…

新型コロナに関するデマのファクトチェック〜ASIOS他『新型コロナとワクチンの「本当のこと」がわかる本』

新型コロナとワクチンの「本当のこと」がわかる本~【検証】新型コロナ デマ・陰謀論 作者:ASIOS,桑満 おさむ,名取 宏,峰 宗太郎,宮原 篤,森戸 やすみ,安川 康介 彩図社 Amazon なぜこの本を読むことにしたか なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか。…

「意識の流れ」という新手法〜ヴァージニア・ウルフ《ダロウェイ夫人》

Mrs Dalloway 作者:Woolf, Virginia Penguin Classics Amazon ダロウェイ夫人 (光文社古典新訳文庫) 作者:ウルフ 光文社 Amazon 〈怖い絵〉シリーズの著者である中野京子さんは、絵画をありのままに見て感じとるだけではなく、その絵画が制作された時代背景…

わたしたちは正しかったのか常に考えよう〜峰宗太郎、山中浩之『新型コロナとワクチン わたしたちは正しかったのか』

新型コロナとワクチン わたしたちは正しかったのか 作者:峰 宗太郎,山中浩之 日経BP Amazon なぜこの本を読むことにしたか なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか。 ①世界の見方を根底からひっくり返す書物、 ②世界の見方の解像度をあげる書物、 ③好…

ありがとう、と言いたい〜木下喬弘『みんなで知ろう!新型コロナワクチンとHPVワクチンの大切な話』

みんなで知ろう! 新型コロナワクチンとHPVワクチンの大切な話 作者:木下 喬弘 ワニブックス Amazon なぜこの本を読むことにしたか なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか。 ①世界の見方を根底からひっくり返す書物、 ②世界の見方の解像度をあげる書…

黒人として、友達として〜マーク・トウェイン《ハックルベリー・フィンの冒険》

The Adventures of Huckleberry Finn (English Edition) 作者:Twain, Mark Amazon ハックルベリー・フィンの冒険(上) (光文社古典新訳文庫) 作者:トウェイン 光文社 Amazon ハックルベリー・フィンの冒険(下) (光文社古典新訳文庫) 作者:トウェイン 光文…

流れゆく時からふと汲みあげた小説〜川端康成《山の音》

山の音 (角川文庫) 作者:川端 康成 KADOKAWA Amazon 川端康成は《雪国》《伊豆の踊り子》が有名だけれど、この《山の音》については知らなかった。しかし、海外での評価が高く、ノルウェー・ブック・クラブ発表の「史上最高の文学100」に選出されたことを知…

真の読者にはとどかない寓話〜ジョージ・オーウェル《動物牧場》

動物農場 (角川文庫) 作者:ジョージ・オーウェル,高畠 文夫 KADOKAWA Amazon 中篇《動物農場》 本作は《1984》の著者ジョージ・オーウェルのもうひとつの代表作。《1984》の読書感想はこちら。 身震いするほどの不快感〜ジョージ・オーウェル《1984》 - コー…

身震いするほどの不快感〜ジョージ・オーウェル《1984》

1984 (角川文庫) 作者:ジョージ・オーウェル,田内 志文 KADOKAWA Amazon この小説はどこまで想像力による創作物で、どこからが歴史上の事実をなぞらえているのだろう? たぶん世界でもっとも有名なディストピア小説である《1984》を読みつづけてしばらくたっ…

仮想現実をめぐる競争〜白辺陽『メタバース 完全初心者への徹底解説』

メタバース 完全初心者への徹底解説: 2021年 仮想世界を巡る百花繚乱時代 作者:白辺 陽 Amazon なぜこの本を読むことにしたか なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか。 ①世界の見方を根底からひっくり返す書物、 ②世界の見方の解像度をあげる書物、 …

古代中国にタイムスリップした主人公は現地でサバイバルする〜柿沼陽平『古代中国の24時間』

美味しいものはとっておいて後で食べる主義である。この本は読む前から絶対面白いとわかっていたから、ゆっくり読む時間ができるまで楽しみにとっておいた。 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで (中公新書) 作者:柿沼陽平 中央公論新社 Amazon …

食談とその深遠なる意図〜開高健『最後の晩餐』

最後の晩餐 (文春文庫) 作者:開高 健 文藝春秋 Amazon 開高健といえば、朝日新聞社臨時特派員としてベトナム戦争を取材したときの凄絶な体験に基づくノンフィクションと小説が有名だけれど、私はそのうち読みたいと思いつつ、残念ながらまだ読んだことがない…

護ることの重み〜中山七里『護られなかった者たちへ』

……言葉もない。 読み始めれば止まらず、ほぼ徹夜で読み終えた。 私はふだんあまりミステリーを読まないのだが、これは刺さった。葉真中顕『ロスト・ケア』『絶叫』と同系統の社会派ミステリー小説。テーマは生活保護受給者たちの声なき叫び。 あらすじを簡単…