コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

歴史・現代社会

ギリシャ神話の元ネタはこの一冊〜オウィディウス《変身物語》

ノルウェー・ブック・クラブが選出した「世界最高の文学100冊」(原題:Bokkulubben World Library)の一冊。ギリシャ・ローマ神話集大成とされる数万行にのぼる叙事詩であり、およそ250もの〈変身〉物語が集められ、お互いに絡まり縒り合わさりながら、この…

<英語読書チャレンジ 72 / 365> 留学生 (International Student) の現状と就職事情 (2)

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低50頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2027年10月。20,000単語以上(現地大卒程度)の語彙獲得と文章力獲得をめざします。今回は海外留学についてのテーマ読…

<英語読書チャレンジ 69-71 / 365> 留学生 (International Student) の現状と就職事情 (1)

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低50頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2027年10月。20,000単語以上(現地大卒程度)の語彙獲得と文章力獲得をめざします。今回はテーマ読書。かねてより興味…

<英語読書チャレンジ 67-68 / 365> R. Green “True Crime”シリーズ

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低50頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2027年10月。20,000単語以上(現地大卒程度)の語彙獲得と文章力獲得をめざします。 Kindle Unlimited洋書版で発掘し…

<英語読書チャレンジ 43 / 365> CSIS報告書 "The First Battle of the Next War - Wargaming a Chinese Invasion of Taiwan"

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低100頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。 なんかやばそーなんで、最近話題の台湾有事に関するCSIS (Center for Strategic and International …

<英語読書チャレンジ 39-40 / 365> B.Gaskey “ Captain Sally’s Book of Fire Service Wisdom”

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低100頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。 本書は未邦訳(だと思う)。タイトルは直訳すると『キャプテン・ソルティの消防隊のための賢者の書…

<英語読書チャレンジ 28-30 /365> D. Barnett, Employment Law Library, Book 5, 8 and 9

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低100頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。 本書は未邦訳の英国労働関連法規解説シリーズ続き。本来想定している読者は雇用主側の人事担当者で…

<英語読書チャレンジ 25-27 / 365> D. Barnett, Employment Law Library Book 1-3

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低100頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。 本書は未邦訳の英国労働関連法規解説シリーズ1作目〜3作目。本来想定している読者は雇用主側の人…

<英語読書チャレンジ 17 / 365> H. R. McMaster “Battlegrounds: The Fight to Defend the Free World”(邦題『戦場としての世界 自由世界を守るための闘い』)

思いつきで英語の本365冊読破にチャレンジ。ページ数100以上、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。 本書の邦訳タイトルは『戦場としての世界 自由世界を守るための闘い』。原書タイトルもほぼ同じ。 Battlegro…

<英語読書チャレンジ 11 / 365> J. Owen “The Establishment”(邦題『エスタブリッシュメント 彼らはこうして富と権力を独占する』)

思いつきで英語の本365冊読破にチャレンジ。ページ数100以上、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2025年3月20日。 本書は『エスタブリッシュメント 彼らはこうして富と権力を独占する』という邦題で翻訳されている。かなり前…

アーサー王と円卓の騎士たちの騎士物語と悲恋物語〜ブルフィンチ『アーサー王物語』

新訳 アーサー王物語 (角川文庫) 作者:トマス・ブルフィンチ,大久保 博 KADOKAWA Amazon アーサー王物語はただの伝説ではない。イギリス文化に溶けこみ、空気や水のように、普段意識することはないけれど、あるのがあたりまえであり、深層水のように意識の底…

<英語読書チャレンジ 1/100> R.K.Massie “Peter the Great: His Life and World”

ブログを始めてから500冊読破。うち英語は1割未満。ちょっと少ないなぁ…3割欲しいな…と、思いつきで英語の本100冊読破にチャレンジ。ページ数100以上、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限はとりあえず2023年3月末まで。 Pete…

新型コロナに関するデマのファクトチェック〜ASIOS他『新型コロナとワクチンの「本当のこと」がわかる本』

新型コロナとワクチンの「本当のこと」がわかる本~【検証】新型コロナ デマ・陰謀論 作者:ASIOS,桑満 おさむ,名取 宏,峰 宗太郎,宮原 篤,森戸 やすみ,安川 康介 彩図社 Amazon なぜこの本を読むことにしたか なぜわたしはこの本を読むために時間を使うのか。…

古代中国にタイムスリップした主人公は現地でサバイバルする〜柿沼陽平『古代中国の24時間』

美味しいものはとっておいて後で食べる主義である。この本は読む前から絶対面白いとわかっていたから、ゆっくり読む時間ができるまで楽しみにとっておいた。 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで (中公新書) 作者:柿沼陽平 中央公論新社 Amazon …

21世紀の皇室外交〜君塚直隆『カラー版 王室外交物語〜紀元前14世紀から現代まで〜』

カラー版 王室外交物語~紀元前14世紀から現代まで~ (光文社新書) 作者:君塚 直隆 光文社 Amazon なぜこの本を読むことにしたか イギリス王室のハリー王子とメーガン妃の王室離脱騒動といい、日本皇室の眞子さまの結婚騒動といい、21世紀に入ってから、君主…

司馬光《資治通鑑》巻百八十四: 隋紀八/巻百八十五: 唐紀一

久しぶりに《資治通鑑》を読むのは、「国が滅ぶ」のはどんなときだと考える機会があったためだ。 中国の歴史書ほどこの問いにふさわしい参考資料はない。数千年もの間、幾多の王朝が栄え、滅びていったことを、漢字という一種類の文字、《史記》に始まる一貫…

あなたはどれほど知っている?〜谷本真由美『世界のニュースを日本人は何も知らない』

世界のニュースを日本人は何も知らない2 - 未曽有の危機の大狂乱 - (ワニブックスPLUS新書) 作者:谷本 真由美 発売日: 2020/12/09 メディア: Kindle版 世界のニュースを日本人は何も知らない (ワニブックスPLUS新書) 作者:谷本 真由美 発売日: 2019/10/09 メ…

現状分かっていることを整理し、今後起こるかもしれないことを予測する〜花村遼、田原健太朗『新型コロナ 収束への道』

新型コロナ 収束への道 (日経プレミアシリーズ) 作者:花村 遼,田原 健太朗 発売日: 2020/11/10 メディア: 新書 実は著者のひとりと面識がある。十年以上前のこと、向こうはとっくに忘れているはずだ。著書が出ることを近況で知り、面白そうだから買ってみた。…

ロシア皇帝を意のままにしたという農民〜ラジンスキー『真説 ラスプーチン』

真説 ラスプーチン 上 作者:エドワード ラジンスキー 発売日: 2004/03/27 メディア: 単行本 真説 ラスプーチン 下 作者:エドワード ラジンスキー 発売日: 2004/03/27 メディア: 単行本 米原万里さんの書評集『打ちのめされるようなすごい本』の中で紹介され…

家族のあり方が国家政策に定められるということ〜メイ・フォン『中国「絶望」家族』

中国の一人っ子政策は、文化大革命によって経済学者・社会学者・人口学者達が粛清され表舞台から排除されたのちに、国防部門のロケット科学者によって推しすすめられたーー。 ここまで聞いたらもう、この政策がいかなるものか想像付くであろう。 本書はその…

【おすすめ】社会生活のあらゆるものは「システム」の一部である〜C.クリアフィールド&A.ティルシック『巨大システム失敗の本質』

巨大システム 失敗の本質: 「組織の壊滅的失敗」を防ぐたった一つの方法 作者:クリス・クリアフィールド,アンドラーシュ・ティルシック 発売日: 2018/11/30 メディア: 単行本 必読。システムというものがコンピュータの中だけではなく、電力、ガス、上下水道…

ワクチン反対派はなぜ生まれたか〜P.オフィット『反ワクチン運動の真実: 死に至る選択』

反ワクチン運動の真実: 死に至る選択 作者:ポール オフィット 発売日: 2018/05/08 メディア: 単行本 私はワクチン賛成派だ。ワクチンに限らずすべての医薬品は副作用を引き起こすリスクがあることを承知したうえで、麻疹や風疹や破傷風や狂犬病で死ぬくらい…

移民に呑みこまれた欧州、呑みこまれるかもしれない日本〜ダグラス・マレー『西洋の自死』

欧州は自死を遂げつつある。少なくとも欧州の指導者たちは、自死することを決意した。 … 私が「欧州は自死の過程にある」と言うのは…「私たちの知る欧州という文明が自死の過程にある」という意味である。英国であれ西欧の他のどの国であれ、その運命から逃…

【おすすめ】あなたが思うほど現実は悪くない〜ハンス・ロスリング《ファクトフルネス》

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド 発売日: 2019/01/11 メディア: 単行本 Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About…

【おすすめ】暴力によって格差が縮まるという不都合な真実〜ウォルター・シャイデル『暴力と不平等の人類史』

The Great Leveler: Violence and the History of Inequality from the Stone Age to the Twenty-First Century (The Princeton Economic History of the Western World) 作者:Scheidel, Walter 発売日: 2017/01/24 メディア: ハードカバー 暴力と不平等の人…

アフガニスタンの人々に寄り添ったひとりの医師の死を考える〜中村哲『天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い』

天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い 作者:中村 哲 発売日: 2013/10/24 メディア: 単行本 現地三十年の体験を通して言えることは、私たちが己の分限を知り、誠実である限り、天の恵みと人のまごころは信頼に足るということです。 (「はじめに」より) …

【おすすめ】パフォーマンス評価をうまく使いこなせば改善につながるが、使い方を間違えると機能不全になる〜Jerry Z. Muller 『The Tyranny of Metrics』

The Tyranny of Metrics 作者:Muller, Jerry Z. 発売日: 2018/02/06 メディア: ハードカバー 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか? 作者:ジェリー・Z・ミュラー 発売日: 2019/04/27 メディア: 単行本 【読む前と読んだあとで変わったこと】 「測…

悩み相談で一番大切なのは、相手の答えをさぐること〜幡野広志『なんで僕に聞くんだろう。』

なんで僕に聞くんだろう。 作者:幡野 広志 発売日: 2020/02/06 メディア: 単行本 もし私がだれかに悩み相談をされたら、幡野さんと同じように、相手の話を聞き、相手の答えを探ることをまずは真剣に行いたいと思った。背中を押すかどうかはその後決める。な…

現代日本社会でも役立つ「全体主義」の解説書〜仲正昌樹『悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える』

ハンナ・アーレントという名前を最初から知っていたわけではない。新型コロナウイルスの感染者が乗船していたことで横浜港に留めおかれていた豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号、その内部感染管理がメチャクチャだとYouTubeで実名告発した岩田健太郎医師。…

仕事はしょせん人生の一部、日本はしょせん世界の一部〜谷本真由美『世界のどこでも生きられる!―外籠もりのススメ』

久しぶりに読書時間をとった。 Twitter上でMay_Roma(谷本真由美)をフォローしてからかなり経つが、その中でも本書のもととなったCakesの連載「世界のどこでも生きられる」はとても気に入っている。最近だとハリーとメーガンのイギリス王室脱退事件を解説し…