コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

<英語読書チャレンジ 72 / 365> 留学生 (International Student) の現状と就職事情 (2)

英語の本365冊読破にチャレンジ。原則としてページ数は最低50頁程度、ジャンルはなんでもOK、最後まできちんと読み通すのがルール。期限は2027年10月。20,000単語以上(現地大卒程度)の語彙獲得と文章力獲得をめざします。
今回は海外留学についてのテーマ読書のつづき。かねてより興味がある海外留学事情について関連書を読み、まとめてみた。前回記事はこちら。
<英語読書チャレンジ 69-71 / 365> 留学生 (International Student) の現状と就職事情 (1) - コーヒータイム -Learning Optimism-

 

イギリス

イギリスで高等教育を受けたあとの卒業生の進路を調査したものが以下のレポート。

What do graduates do? (WDGD)

What do graduates do? 2023/24 | Luminate

Longitudinal Educational Outcomes (LEO)

LEO Graduate and Postgraduate Outcomes, Tax year 2020-21 – Explore education statistics – GOV.UK

Destinations of Leavers from Higher Education Longitudinal survey | HESA

 

参考文献

イギリス留学事情と留学生の就職事情をまとめた本。2019年1月出版とやや古いのが難点。コロナ禍後はさまざまな変化があったことだろう。

内容としてはタテマエ寄り。留学生の中でも、ビザ要件が比較的緩いEU出身者や旧植民地出身者を意識しているのか、ビザ取得についての記述はかなり少ない。卒業後、企業に就労ビザをスポンサーしてもらう必要があるため就職活動が難航しがちであることを率直に認め、学生起業も一つの選択肢だとばかりにあれこれ紹介しているのが面白い。

本書によれば、イギリスの大学は4種類に大別される。

  1. 12世紀から16世紀にかけて創設された "Ancient universities" (オックスフォードなど)
  2. 19〜20世紀冒頭に産業発展とともに創設された "Red brick universities"
  3. 20世紀半ばから1992年頃にかけて創設された(一部は職業訓練校としての性格が強い) "Plate glass universities"
  4. 1992年の教育制度改革後に設立された "New universities" 

大学選びにあたり、評判(イギリスだとオックスフォードとケンブリッジアメリカだとアイビーリーグが最高峰とされるのはご存じのとおり)、世界的大学ランキングでのランク、教育水準、就職実績が大切になるのは日本国内の大学出願と同じ。

QS World University Rankings, Events & Careers Advice | Top Universities

World University Rankings | Times Higher Education (THE)

就職についてはワークショップ (employability workshops) 、採用説明会 (recruitment fairs) 、専攻関連企業が企画するイベント (employer sponsored events) などがある。在学期間中にインターンシップなどでとにかく仕事経験と呼べるものを積み、狙う企業のコネを獲得しなければならないため、大学を選ぶ段階で、企業とのコネクション(共同研究や寄附講座など)を調べあげなければならない。この辺は日本よりもさらにシビアで熾烈だといえよう。

X (旧Twitter) 上で見かけた「弱い立場にいても、工夫次第で逆境を乗り越える事がテーマ」「留学生としての立場で異国の地で挑戦する姿」という紹介が刺さってKindleで即買い。著者はイギリス出身、カナダのトロント大学留学経験をもつ。