コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

『特定の人としかうまく付き合えないのは 、結局 、あなたの心が冷めているからだ』(五百田達成、堀田秀吾著)を読んだ

ぐさりとくるタイトルに惹かれて手にした本。

著者は心が冷めている状態を、①人の話に興味がない、②人と積極的に関わろうとしない、③そのため、世界がどんどん狭まっていく状態と説明している。要するに対人関係に興味がないのだ。

だけど一方で人は、興味関心があることに接すると心の温度が高まる。興味があることに関しては「もっと知りたい」「自分の意見を言いたい」と感じる。面白そうなことがあれば首をつっこみたくなる。だから対人関係に興味がないのは、つまるところそれを「面白いこと」だと思っていないからだ。

ではなぜ面白いと思えないのか?  著者はさまざまな心理学的傾向を織り交ぜながら説明していく。例えばあるタイプを苦手だと思う人は、目の前にいるその人を見ていない。記憶の中にいる苦手な誰かと重ねている。これはつい最近体験した。私は数週間前にジムである女性に出会ったが、一目見て、その女性からなるべく離れたいと感じた。私が最も苦手な同僚に似ていたのだ。言葉どころか目さえあっていないのに、気持ちとしてはこうなるのだ。

人と意見があわずにぶつかることを恐れて、人との交流そのものを控えることもある。ちなみに以前読んだ心理学本のセルフ診断で私はこの傾向が強いと出た。恐れを克服するためには、対立が起きたときは逃げずにぶつかってみることだと著者はいう。相手を言い負かすのではなく、相手のことを理解するために話し合ってみる。そして 、問題から目を逸らさずに妥協点を探してみる。(議論が白熱すると言い負かすことが目的になってしまうのが困るが…)

最後に著者の言葉を引用しよう。

「あ~、この人と距離を取ろうとしてるな」 「心冷めてきてるな」と自覚すること。次に見て見ぬふりをせず、「じゃあ、どうしたらいいんだろう?」と問題意識を持って少しでも行動に移してみることです。敵は相手ではなく、自分の中にいるものなのです。