コーヒータイム

日々読んだ本の感想。時々日常。

「バンコク・アウトロー」(高田胤臣著)を読んだ

バンコクには観光ツアーで行ったことがある。治安がよく、夜一人歩きしてもなんの問題もない。交通機関が発達しておりあまり足に困ることはない。食べものが美味しい。そんなありきたりな感想だった。ごくたまに物乞いの老婆が街角に座っていたり、宝くじ売りが歩き回っていたりするが、気にしてはいなかった。

この本ではバンコクの一歩深いところに踏み込んでいる。不良少年少女、賭博、麻薬、風俗、貧困など、タイの現実的な一面が見えてくる。読んでみるといずれも日本にもあるものばかりだ。ないのは大規模なスラム街くらいか。どの国家でもこういうものが自然に発生するのだろう。合法か非合法かだけが違いだ。

タイは日本とは比べものにならないほどの格差社会で、しかもそれぞれの行動範囲が暗黙のうちに分かれているほど階層が固定化されているという。富裕層が行く店に下層社会の人々が行くことはなく、逆もまた然り。不思議なことではない。タイは楽園ではなく、普通の資本主義国家だということだ。