コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『未来をつくる起業家-日本発スタートアップの失敗と成功 20ストーリー』(ケイシー・ウォール著)を読んだ

日本は言語の壁、文化の壁、商習慣の壁などがあり、シリコンバレーなどに比べれば起業しにくいと言われるが、それでも徐々にIT起業は増えてきている。本書はその中でそこそこの成功を収めた若き起業家20人にインタビューしたもので、成功、失敗、苦労、喜び…

『世界500万人が実践する営業術』(ブライアン・トレーシー著)を読んだ

営業術をテーマとするビジネス書は、日本人作者によるものを何冊か読んだことがあるが、この本と似た内容ながら、書かれている順番が真逆だったのが面白い。 日本人作者の本では、まず相手のニーズをつかむための「聞く力」から書き始めていた。一方、カナダ…

"Geopolitics of the Balkans and Beyond: What Do Russia, China, and United States Want?" by Filip Kovacevic

Geopolitics of the Balkans and Beyond: What Do Russia, China, and the United States Want? (English Edition) 作者: Filip Kovacevic 出版社/メーカー: Filip Kovacevic 発売日: 2015/11/08 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 洋書チャレ…

"Affairs of State: United States Grand Strategy and National Security" by Don Treichler

Affairs of State: United States Grand Strategy and National Security (English Edition) 作者: Don Treichler 発売日: 2017/09/20 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 英語学習も兼ねて、戦略論関連の洋書原文に手を出してみた。 著者による…

『悪の論理: 地政学とは何か』(倉前盛通著)を読んだ

悪の論理―ゲオポリティク(地政学)とは何か (Ohtemachi books) 作者: 倉前盛通 出版社/メーカー: 日本工業新聞社 発売日: 1977/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 大国同士の争いが日増しに激烈になり、その間にはさまれた小国が生きのびるすべ…

ビジネス・インテリジェンス 未来を予想するシナリオ分析の技法 (北岡元著)

昨日は原因不明のだるさで早々と寝たので、本を一冊読めなかった。貧血症状に近い気がする。今日は幾分良くなった。 この本は以前読んだ『シナリオ・プランニング』に似た内容かと思っていたが、似ている点とそうではない点があるようだ。共通点は、どちらの…

統計学の7原則-人びとが築いた知恵の支柱 (スティーブン・M・スティグラー著)

統計解析がむかしから苦手な私は最初の10ページですでにくじけそうになったが、とばしつつ読みすすめた。 だが専門的にすぎて、後半ではなにを言っていたのかほとんどわからなかった。かろうじて以下に書きとめたことが分かった。一番良く分かったのは、私は…

『シナリオ・プランニング-未来を描き、創造する』(ウッディー・ウェイド著)

シナリオ・プランニング――未来を描き、創造する 作者: ウッディー・ウェイド,Woody Wade,野村恭彦,関美和 出版社/メーカー: 英治出版 発売日: 2013/11/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (5件) を見る シナリオ・プランニングの最大…

病いと癒しの人間史 - ペストからエボラウイルスまで (岡田晴恵著)

『銃・病原菌・鉄』では旧大陸から新大陸に持ちこまれた病原菌が新大陸の先住民を文字通り壊滅状態に追いこんだことが書かれているが、この本では旧大陸で人びとが病原菌へのある程度の耐性を獲得するまでに起こったことを主につづったエッセイがまとめられ…

『銃・病原菌・鉄(下)』(ジャレド・ダイアモンド著)

文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 作者: ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2012/02/02 メディア: 文庫 購入: 24人 クリック: 73回 この商品を含むブログ (107件) を見る どっしりとした…

『銃・病原菌・鉄(上)』(ジャレド・ダイアモンド著)

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 作者: ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2012/02/02 メディア: 文庫 購入: 27人 クリック: 421回 この商品を含むブログ (191件) を見る どっしりとした…

同じモノを売っているのに、儲かっている会社、儲からない会社 (金子智朗著)

この本で著者は、手を変え品を変えて「利益の源泉は顧客であり、製品ではない。最新技術を使った製品が売れるのではなく、顧客がほしいと思う製品が売れる。従って顧客の価値になるような商品開発を行い、マーケティングをすることが重要である」と述べてい…

人生ドラクエ化マニュアル (JUNZO著)

人生ドラクエ化マニュアル - 覚醒せよ! 人生は命がけのドラゴンクエストだ! - 作者: JUNZO 出版社/メーカー: ワニブックス 発売日: 2015/04/17 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る 面白くて一気に読んだ。 ゲームとは、…

「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や健康法から身を守る! (NATROM著)

「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る! 作者: NATROM 出版社/メーカー: メタモル出版 発売日: 2014/06/25 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (36件) を見る 小学校に上がる前後、家庭医学関連の…

システム障害はなぜ二度起きたか (日経コンピュータ編)

みずほが東日本大震災直後に引き起こした大規模なシステム障害は、大ニュースになったため私の記憶に残っている。当時は義援金振込が殺到したためシステムダウンしたらしい、くらいの認識だったが、この本を読んで、その考えが間違っていたことがわかった。 …

エンデュアランス - 史上最強のリーダー シャクルトンとその仲間はいかにして生還したか (アルフレッド・ランシング著)

エンデュアランス ──史上最強のリーダーシャクルトンとその仲間はいかにして生還したか (フェニックスシリーズ) 作者: アルフレッド・ランシング 出版社/メーカー: パンローリング株式会社 発売日: 2014/08/09 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を…

100歳まで成長する脳の鍛え方(加藤俊徳著)

中高年年齢層をターゲットに、脳を鍛えるためのトレーニング方法紹介している本。手にとってはみたものの、私にはまだ早かった。一日一冊読了すると決め、手当たり次第に読んでいればこういうこともある。 著者は、脳は100歳まで成長出来ると主張する。脳の…

ジョギングから始めるフルマラソン (内山雅博著)

ジョギングから始めるフルマラソン 作者: 内山雅博 出版社/メーカー: 高橋書店 発売日: 1993/10 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (4件) を見る フルマラソンを走ることが健康につながるというより、いつでも走り(歩き)切るだけの健康を…

面と向かっては聞きにくいイスラム教徒への99の大疑問 (佐々木良昭著)

昨日は飲みすぎで帰宅後倒れこむように寝たため本を一冊読めなかった。反省。 イスラム教徒の知り合いがいる。中東ではなくインドネシアやバングラデシュ出身だから、戒律にはそこまで厳しくないし、異教徒への理解もあるが、豚肉やお酒類はもちろんダメ、日…

OUT(下) (桐野夏生著)

OUT 下 (講談社文庫 き 32-4) 作者: 桐野夏生 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2002/06/14 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (122件) を見る 上巻に続き、物語はどんどん薄暗い方に流れていく。山本弥生の夫健司を殺した容疑…

OUT(上) (桐野夏生著)

OUT 上 (講談社文庫 き 32-3) 作者: 桐野夏生 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2002/06/14 メディア: 文庫 購入: 9人 クリック: 67回 この商品を含むブログ (156件) を見る 読み進めるとひどく息苦しくなってくる小説だ。登場人物が希望を抱くことができな…

悪人(下) (吉田修一著)

悪人(下) (朝日文庫) 作者: 吉田修一 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2009/11/06 メディア: 文庫 購入: 14人 クリック: 86回 この商品を含むブログ (169件) を見る 上巻を読んだときは街灯に沈む夜の街、闇の中に沈む峠が作品全体のイメージだったが…

悪人(上) (吉田修一著)

悪人(上) (朝日文庫) 作者: 吉田修一 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2009/11/06 メディア: 文庫 購入: 15人 クリック: 181回 この商品を含むブログ (203件) を見る 吉田修一の小説の中で『怒り』と並ぶ代表作品とされる『悪人』だが、上巻を読んだ…

なぜ会社は変われないのか (柴田昌治著)

なぜ会社は変われないのか 危機突破の風土改革ドラマ (日経ビジネス人文庫) 作者: 柴田昌治 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社 発売日: 2003/10/31 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 33回 この商品を含むブログ (23件) を見る 小説ながら実際の会社再…

天空の蜂 (東野圭吾著)

天空の蜂 新装版 作者: 東野圭吾 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/06/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 500ページ越えの大作にもかかわらず、息つくひまもなく一気に読ませる小説。すでに映画化されているが、最初と中盤と終盤にそれぞ…

パレード (吉田修一著)

パレード (幻冬舎文庫) 作者: 吉田修一 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2004/04/01 メディア: 文庫 購入: 9人 クリック: 112回 この商品を含むブログ (241件) を見る この小説は解説から読み始めたのだが、「こわい小説だった」と繰り返されていたのが気に…

怒り(下) (吉田修一著)

怒り(下) (中公文庫) 作者: 吉田修一 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2016/01/21 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (21件) を見る 下巻を一気に読みきった。読後感は少しの救いと、少しの絶望がまざっている。 山神一也はいた。だが「さよなら渓…