コーヒータイム -Learning Optimism-

本を読むということは、これまで自分のなかになかったものを取りこみ、育ててゆくこと。多読乱読、英語書や中国語書もときどき。

金融・投資

不動産投資を考えるならば失敗例も知っておきたい〜小林大貴『知らないと取り返しがつかない 不動産投資で陥る55のワナ』

仕事柄「どういう事故や失敗が起こりうるか」という視点からものを見ることが多い。本書も、不動産投資での失敗例について知るために読んだ。 著者は住友不動産出身で、現在は賃貸用不動産経営と不動産投資コンサルタントをメインに活動している。住友不動産…

お金のことを学ぶのは恥ずかしいことではない、早ければ早いほど良い〜ボード・シェーファー『マネーという名の犬』

家を買いたい、というのが夫がよく言うことだ。 どうやら親戚が東アジアの某国で買った投資用不動産が値上がりしており、その成功体験をよく聞かされ、「不動産を買いなさい」とせっつかれているらしい。 夫の希望は土地付一戸建て。土地付は譲れないらしい…

株式市場での栄光と破滅と、また栄光〜ニコラス・ダーバス『私は株で200万ドル儲けた』

1950年代、あるダンサーの個人投資家が株式トレードで200万ドル儲けた。彼は自分自身の株式投資のやり方や、200万ドル儲けるまでのできごとを本にまとめた。それが本書である。 本書は、株式投資の教科書として広く読まれているというけれど、私が読んだとこ…

不動産投資もひとつの選択肢、かもしれない〜稲垣浩之『不動産投資専門税理士が明かす 金持ち大家さんが買う物件 買わない物件』

新型コロナウイルス感染爆発のために世界規模で経済状況が悪化しており、日本国内でも休業・廃業が相次いでいる。わが家もいつ不況の大波をかぶって給与カットされるかわからないため、ここしばらく投資関係の本に手がのびている。 本書はタイトルの通り、不…

本書を読まずして投資をすることなかれ〜J. D. シュワッガー『マーケットの魔術師』

マーケットの魔術師 作者:ジャック·D シュワッガー,横山 直树 発売日: 2012/03/09 メディア: Kindle版 【2020.3 再読】 本書は2年前に一度読んだが、そのときは投資について真剣に考えているわけではなかったので、流し読みですませた。 それから2年、本腰…

イギリスでの不動産投資の現場から、ユーモアを添えて〜Rob Dix “The Complete Guide to Property Investment”

The Complete Guide to Property Investment: How to survive & thrive in the new world of buy-to-let (English Edition) 作者:Dix, Rob 発売日: 2016/01/18 メディア: Kindle版 Property Investment for Beginners (English Edition) 作者:Dix, Rob 発売…

不動産会社社長がすすめる不動産投資〜市川周治『ゼロから始める不動産投資』

不動産投資、日本編。 著者は岡山県岡山市で不動産売買・賃貸・投資を手がける不動産会社を経営している。みずからも不動産投資の経験を持ち、投資用不動産の仲介も会社業務のひとつ。ゆえに本書はある程度ポジショントークとして読むべきだと思う。 本書は…

投資の世界に入るまえに、これだけはおさえたいこと〜塩見努『これからパンローリングの投資本を読む人へ』

パンローリング社は投資関係書籍の出版に定評がある。その中でも本書は「これからパンローリング社の投資書に手を出そうとする人向けの投資書」というおもしろい位置づけ。 実際読んでみると、パンローリング社のみならず、投資を始めようとするすべての人向…

なぜ中国人は不動産を買わずにはいられないのか?『三日でわかる中国経済』

三天?懂中国??(升?版)(??3版) メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る つい先日、わたしがよくリンクを貼るAmazonが中国市場から撤退するかもしれないと耳にした。 中国側はこのことを歓迎しているらしい。オンラインショッピングの競争相手が…

なぜ最低賃金が安いままなのか理解するために『マンキュー入門経済学』

マンキュー入門経済学 (第2版) 作者: N.グレゴリーマンキュー,N.Gregory Mankiw,足立英之,石川城太,小川英治,地主敏樹,中馬宏之 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2014/02/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る めちゃくちゃわか…

【おすすめ】景気サイクルを理解するための名著『Big Debt Crisis』

Big Debt Crises (English Edition) 作者: Ray Dalio 出版社/メーカー: Bridgewater 発売日: 2018/09/10 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 【読む前と読んだあとで変わったこと】 経済ニュースを読むとき、投資について学ぶときなどに、景気サ…

フジテレビ買収を決めた信念『生涯投資家』

ライブドアによるフジテレビ買収がニュースになった頃、わたしはまだ経済にも投資にもあまり興味がなく、フジテレビ買収のなにが問題なのか良くわからなかった。それに絡んで村上ファンドの名前が出てきたときも、インサイダー取引があったらしいくらいの認…

金貸しによる金貸しのための金貸し方法手引き『ナニワ金融道』

久しぶりに漫画を。 最近世間を騒がせている地面師とはなんぞや? という疑問は、ナニワ金融道の1巻でさっそく解消された。本来の地主になりすまして土地を利用して利益を得ること(作中では土地を借金抵当に入れていた)を地面師と呼ぶ。作中では土地登録…

シンプルな入門書『図解 大学4年間の金融学が10時間でざっと学べる』

金融システムの中枢として銀行が据えられているけれど、それ、過去はそうだったけど、今でも本当? そう問いかけたくさせる本。 この本は見開き2ページで1つの金融トピックを図解入りで説明しており、簡潔で要点を押さえていてわかりやすい。 一方で、銀行…

「本当にいい会社」が一目でわかる有価証券報告書の読み方 (秦美佐子著)

決算の時期である。決算報告が各会社のホームページ上で公開され、従業員や株式投資をしている人々が一喜一憂する時期である。試験前の一夜漬けのように、今から会計知識をちょっと身につけたいと思い、本書を手に取った。 本書は物語形式で進む。監査法人に…

ザ・クオンツ 世界経済を破壊した天才たち (スコット・パタースン著)

インフルエンザによる高熱で、3日以内に一冊読めなかった。反省。 クオンツとは投資家の一種で、多くは物理学や数学の分野で天才的頭脳をもつ。彼らは複雑なモデルを駆使して市場の動きについて予測可能なパターンを算出し、それに乗じて投資することで、何…

大金持ちの教科書 (加谷珪一著)

前著『お金持ちの教科書』の応用編ともいうべき本書のメッセージは、「大きなお金を稼ぐには 、ビジネスから得られる利益の多くを獲得できる立場になる必要がある。具体的には経営者あるいは投資家となり、儲かる仕組みを自分で作ることができ、そこから得ら…

お金持ちの教科書 (加谷珪一著)

Kindle が故障してしまった。目に悪そうだが、Kindleが復活する(できるのか?)まではiPhoneアプリと紙媒体の本だけになる。 この本の筆者はお金持ちとつきあう中で、お金持ちの人たちに特有の思考パターンや行動原理が存在することがはっきりしてきたという…

ニュートレーダー×リッチトレーダー 完全プラス期待システム (スティーブ・バーンズ著)

昨日読んだ本の続編。こちらは投資家心理にスポットをあてている。 あらゆるトレーダーにとって最も危険な瞬間は、10%以上の投資資産が目減りし、即座にそれを取り戻したいと思う時だと著者はいう。口座残高が減ることによる心理的痛み、傷つけられた自信と…

ニュートレーダー×リッチトレーダー 株式投資の極上心得 (スティーブ・バーンズ著)

この本は「金持ち父さん貧乏父さん」に似た形式をとっている。新米トレーダーが近所に住む金持ちトレーダーを訪ね、彼から色々教えてもらいながら自分のトレーディングシステムを作り上げるまでの過程を小説風に書いている。 この本でとりあげている「ダーバ…

未来をつくるファイナンス -決断のための企業財務理論入門- (東堂馬人著)

未来をつくるファイナンス: ?決断のための企業財務理論入門? 作者: 東堂馬人 発売日: 2016/12/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ファイナンスの本を読んだのは人生で5冊程度だが、ある本がある方法を使うべきだと書いているかと思えば、別…

非対称情報の経済学 -スティグリッツと新しい経済学- (藪下史郎著)

この本は、これまでのいわゆる伝統的経済学では説明が難しかったが、実際には大変よく見かけることを説明出来る新しい経済学理論を紹介している。論理展開が多かったため、経済学理論の基礎知識があまりない私にとっては読み進めることがかなり難しかったが…

改定新版 藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 (藤巻健史著)

[改訂新版]藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 (光文社新書) 作者: 藤巻健史 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2012/03/16 メディア: 新書 購入: 3人 クリック: 11回 この商品を含むブログ (12件) を見る 前半はとても分かりやすく、後半でやや苦しくな…