コーヒータイム

日々読んだ本の感想。時々日常。

読書感想

『ラッキーをつかみ取る技術』(小杉俊哉著)を読んだ

前著『30代はキャリアの転機』が面白かったから、同じ著者の本を探して読んだ。 初版2005年だから前著とそんなには出版時期が離れていないが、この本では著者の勢いは随分抑えられていると感じた。前著は著者自身の経験談に集中して「これが言いたいんだ!」…

『30代はキャリアの転機』(小杉俊哉著)を読んだ

この本は1998年出版の処女作『29歳はキャリアの転機』を再版したものであるが、基本的内容は変わらないという。当時書いたときの勢いをそのまま活かしたかったから、というのが理由だが、読んでみてそれがよくわかった。松岡修造ではないが文章自体から熱情…

『3年後、転職する人、起業する人、会社に残る人』(佐藤文男著)を読んだ

著者はまだ転職が一般的でなかった90年代に転職と起業を両方経験している。今は人材紹介ビジネスを営み、転職希望者のサポートをしている。転職関連の本は毎年一冊ペースで10数冊出している。 これは私の持論だが、一人の著者が同一テーマで複数冊の本を書く…

『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則』(ジム・コリンズ、ジェリー・ポラス著)を読んだ

経営者だけではなく、従業員、さらには政府機関や非営利組織など、およそ「組織」に関わりのある人達すべてが読むべき名著。 ビジョナリー・カンパニーとは、「ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先見的な企業であり、業界で卓越した企業、同業他社…

『君の膵臓をたべたい』(住野よる著)を読んだ

映画にもなった大ヒット青春小説。近所の本屋で、山積みになった文庫本の前でエンドレスにプロモーション映像を流していたため、今でもヒロインの声をはっきりと思い出せる。が……今考えれば「君は嫌がるかもしれないけど、私はやっぱり、君の膵臓をたべたい…

『脱・限界集落株式会社』(黒野伸一著)を読んだ

『限界集落株式会社』の続き。止村経営が軌道に乗り、急激な成長はないものの持続的活況が見えてきたころ、麓に巨大ショッピングモールができる。東京の有名ブランド「マライア」が入り、アミューズメントパークやフードコートなども充実した総合エンターテ…

『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』(ジェームズ・R・チャイルズ著)を読んだ

読書ルールを変えることにした。これまでは一日一冊読破を目指していたが、そうすると「一日で読み切ることができる分量の」本にしか手が伸びなくなり、本当に読みたい『銃・病原菌・鉄』のような重厚な名著に手を出すのを控えてしまう。これからは最大3日…

『もうひとつの京都』(アレックス・カー著)を読んだ

10代の頃、京都に住んでいたことがある。盆地の中にある街だから、夏は暑く冬は寒かった。通学途中で毎日のように古い町並みや、寺院や、京都を囲む山々を見ていたが、住んでいればわざわざ行こうと思わないもので、京都から離れてから、旅行で行くことが増…

『22年目の告白 ー私が殺人犯ですー』(浜口倫太郎著)を読んだ

藤原竜也、伊藤英明W主演で映画化されたことで、この小説のことを知った。 1995年1月14日から始まる5件の東京連続絞殺事件は、被害者の家族を拘束したうえで目撃者とする残酷極まりないものだった。4月27日の事件を最後に、犯人逮捕が果たされないまま時効を…

『社長復活 ぼくが再起業した理由』(板倉雄一郎著)を読んだ

IT起業家の頭の中を垣間見せてくれるとても面白い本。著者の板倉雄一郎氏の略歴はこうだ。 ⚫︎高校卒業後、ゲームソフト開発会社の起業、電話会議サービス会社の起業を経て、1991年、3つめの会社となる株式会社ハイパーネットを設立し、サービスを世界に展開…

『道を継ぐ』(佐藤友美著)を読んだ

この本を手に取ったのはタイトルと表紙が美しかったからで、取り上げられている鈴木三枝子さんという美容師のことは、本を開くまで知らなかった。 髪は邪魔にならなければいいやという考えの私であるが、それでも美容院でカットを終え、鏡を見て、髪が美しく…

シェリー『フランケンシュタイン』を読んだ

「おれはおれをつくったおまえにも嫌われている。だとすれば 、おれに何の恩義もないほかの人間からどんな希望がもらえるというのか?はねつけられて嫌われるだけのことだ。」 哀れで惨めな醜い生き物、主人公フランケンシュタインの手で、納骨堂の骨と動物…

『世界文学の名言』(クリストファー・ベルトン著)を読んだ

著者もふれているように、たいていの文学の名言はその文学物語のストーリーの中で理解されるべきであるけれど、その部分だけでも心に触れてくるものをいくつか書く。 Fear of danger is ten thousand times more terrifying than danger itself. ーー危険へ…

チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んだ

ビジネス書が続いたので文学で息抜き。チェーホフの四大戯曲のひとつで、田舎生活の情景と副題が打たれているものだ。 私はロシア文学をあまり読まない。理由は人名が覚えにくすぎること。例えばこの本のタイトルにもなった主人公「ワーニャ伯父さん」のワー…

『他社から引き抜かれる人の仕事術』(中山遼二著)を読んだ

ヘッドハンティングされる人にはさまざまなタイプがいるだろうけれど、この本はその特徴を93項目にまとめている。いずれもなるほどと深々とうなずけるものばかりだ。 著者はヘッドハンティングを、仕事の成果を誰かが認めたから起こるものだと捉える。具体的…

『買収ファンド ハゲタカか、経営革命か』(和田勉著)を読んだ

買収ファンドという言葉にはあまりなじみがなかった。ファンドという言葉は米国発マネーゲームの一種で、破綻寸前の企業を安く買って高く売ることでもうけているというイメージだった。著者に言わせるとこれはハゲタカに近いイメージだそうだが、買収ファン…

『私、社長ではなくなりました。ワイキューブでの7435日』(安田佳生著)を読んだ

2011年3月10日、東日本大震災前日に、ワイキューブは民事再生を申請した。中小企業の新卒採用コンサルティング及び企業ブランディングを業務内容とする会社で、負債総額は四十二億円だった。本書は、ワイキューブ社長の安田佳生が自身の社長として歩んできた…

『その仕事のやり方だと、予算と時間がいくらあっても足りませんよ。』(降籏達生著)を読んだ

『大金持ちの教科書』を読んだときのブログ記事にこう書いた。 【マネジメントがある判断をしたが、その内容は私には理解しがたかった。だが後に、マネジメントからすると非常に合理的な判断であったと分かった。 このことは私に、立場による判断の違いを深…

『企業はなぜ危機対応に失敗するのか 相次ぐ「巨大不祥事」の核心』(郷原信郎著)を読んだ

神戸製鋼が揺れている。全世界の製造業を巻きこんだ前代未聞レベルの不祥事に発展しそうで、企業として市場からの退場はもはや時間の問題のように思える。 だが「偽装」された数値がなにで、品質にどのような問題が生じうるのかはなかなか詳細が見えてこない…

『大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント』(白鳥美子著)を読んだ

プロジェクトマネジメントの本に最近良く手が伸びる。 大工の棟梁といえば、現場の気難しい大工達をたたき上げの実力でまとめあげる漢、というイメージがあるが、この本を読んでみれば半分当たりであった。現場の大工達をまとめるには、圧倒的実力と、ついて…

『特定の人としかうまく付き合えないのは 、結局 、あなたの心が冷めているからだ』(五百田達成、堀田秀吾著)を読んだ

ぐさりとくるタイトルに惹かれて手にした本。 著者は心が冷めている状態を、①人の話に興味がない、②人と積極的に関わろうとしない、③そのため、世界がどんどん狭まっていく状態と説明している。要するに対人関係に興味がないのだ。 だけど一方で人は、興味関…

『最短で達成する 全体最適のプロジェクトマネジメント』(岸良裕司著)を読んだ

初めて読んだゴールドラット博士の著書は『クリティカル・チェーン』だったと思う。内容というより、難しいことを物語に編みこんで説明するという表現方法に興味をもった。その後『ザ・ゴール』も読み、プロジェクトマネジメントのこれまでの常識と、それを…

『大金持ちの教科書』(加谷珪一著)を読んだ

前著『お金持ちの教科書』の応用編ともいうべき本書のメッセージは、「大きなお金を稼ぐには 、ビジネスから得られる利益の多くを獲得できる立場になる必要がある。具体的には経営者あるいは投資家となり、儲かる仕組みを自分で作ることができ、そこから得ら…

魯迅『祝福』を読んだ

魯迅の小説二作目。『阿Q正传』よりは分かりやすいのだが…読了後の正直な感想は「なぜよりによってこのタイトルにした?」だ。 小説の主人公は旧正月を控えて故郷に戻り、親戚宅に居候している。村全体で旧正月のお祝いに特別なごちそうを用意し、爆竹を鳴ら…

『お金持ちの教科書』(加谷珪一著)を読んだ

Kindle が故障してしまった。目に悪そうだが、Kindleが復活する(できるのか?)まではiPhoneアプリと紙媒体の本だけになる。 この本の筆者はお金持ちとつきあう中で、お金持ちの人たちに特有の思考パターンや行動原理が存在することがはっきりしてきたという…

『会社の電気はいちいち消すな コスト激減100の秘策』(坂口孝則著)を読んだ

最近会社でもコスト削減にうるさくなってきた。コスト削減目標提示、夜の定刻消灯、部署別コピー枚数調査などなど。この本のタイトルからして、会社の電気をこまめに消したらどれほどのコスト削減が期待できるか、計算されているかもしれないと期待して手に…

『組織力を高める』(古田興司/平井孝志著)を読んだ

マネジャーがどうあるべきかについての素晴らしい入門書。 著者の発想としては『ビジョナリー・カンパニー』に近しい。本文の記述を引用するならばこうだ。 「同じような戦略を持ち、同じようなオペレーションを行っていても、企業によって生み出されるモノ…

『戦略の不条理 なぜ合理的行動は失敗するのか』(菊澤研宗著)を読んだ

「戦略」という言葉は軍事の世界で生まれ、経営学の世界でも使われるようになった。この言葉が意味するものは経営学と軍事とでまったく異なるとされるが、実はとても似通っていると著者はいう。軍事的戦略は競争社会で勝つためのヒントとなるのだ。 著者は、…

『毒 青酸カリからギンナンまで』(船山信次著)を読んだ

薬毒同源。毒は薬ともなり、薬は過ぎれば毒になる。 このテーマを考える時に思い出すエピソードがある。かつて大学時代に私は「夜回り先生」水谷修氏の講演会を聞く機会があった。その中で水谷氏は「アイ」という少女の話をしてくれた。夜の世界に堕ち、薬剤…

"The Bone Collector" (Jeffery Deaver) を読んだ

初めて読む、ミステリーの大家ジェフリー・ディーヴァーの作品。 洋書原文にしたのは、英語学習もあるが、kindle版で日本語版に比べて大幅に安かったからだった。そうしてよかったと思う。この本はスリリングな場面をとても短い英文で書き表していて、それが…